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褥瘡の滲出液が多いときの観察とドレッシング材の選び方

症状別看護
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こんにちは、ユウ塾長です。褥瘡の滲出液が多いとき、「吸収力の高いドレッシング材に替えればいいの?」「交換回数を増やすべき?」と迷ったことはありませんか?量だけで選ぶのは難しいですよね。今回は、滲出液の観察ポイントと、創の状態に合わせたドレッシング材の選び方を整理します。

結論:滲出液の量だけでなく、創全体を見て選ぶ

滲出液が多いときは、まず量・色・性状・臭気の変化と、創の深さ、ポケット、壊死組織、創周囲皮膚を確認しましょう。そのうえで、多量の滲出液には、吸収して保持する力のあるポリウレタンフォームを基本に、アルギン酸系やハイドロファイバーなども創の状態に合わせて検討します。

ドレッシング材がすぐに飽和する、漏れる、周囲の皮膚がふやけるといった変化があれば、材質・サイズ・交換頻度を見直してください。悪臭や膿性の滲出液、発赤の拡大、疼痛の増強、発熱などがある場合は、感染や深部の状態を確認するため、医師や皮膚・排泄ケア認定看護師などへ報告します。

この記事でわかること

  • 滲出液の量・性状と、創周囲皮膚の観察ポイント
  • 多量の滲出液に使うドレッシング材の考え方
  • 交換時期を見直すサイン
  • 感染や創の深部化を疑うときの対応

結論の根拠:吸収だけでなく、創の変化も評価する

日本褥瘡学会のガイドラインに基づく褥瘡治療の解説では、過剰な滲出液を吸収・保持するドレッシング材として、ポリウレタンフォームが推奨されています。創の深さや滲出液量に応じて、アルギン酸系やハイドロファイバーなども選択肢になります。

一方で、滲出液が多いことだけから感染と決めることはできません。創周囲皮膚の浸軟やびらん、漏れ、臭気や性状の変化などを合わせて見て、前回からどう変わったかを確認することが大切です。創傷・褥瘡・熱傷ガイドライン(2023)でも、褥瘡治療におけるドレッシング材の使用が扱われています。材は固定的に使い続けるのではなく、創の状態に応じて見直しましょう。

滲出液は「量・性状・変化」で観察する

滲出液を見るときは、量だけでなく、色や粘り、臭い、増え方も確認します。透明や淡黄色の滲出液だけで、感染とは判断できません。膿性・混濁した滲出液や悪臭、周囲の発赤の拡大、疼痛の増強などが重なる場合は、局所感染や深部感染を疑い、報告につなげます。

観察するときは、次の項目を前回の記録と比べてみましょう。

  • 量:少量・中等量・多量。交換回数や、材が飽和するまでの時間も確認
  • 色・性状:透明、淡黄色、血性、混濁、膿性など。さらさらか、粘りがあるか
  • 臭気:交換前後の臭いの有無
  • 創面:肉芽、壊死組織、出血、上皮化の状態
  • 深さ・ポケット:方向や広がり、深さ、排液の停滞
  • 創周囲皮膚:白くふやけていないか、発赤、びらん、皮膚剥離がないか
  • 全身状態:発熱、悪寒、倦怠感、食欲低下、疼痛の増強

大切なのは、「今日、多いか」だけでなく「前回より増えたか」です。交換回数が増えた、材が短時間で飽和する、漏れが出たといった変化は、創やケア方法を再評価する手がかりになります。

DESIGN-R®の交換頻度による目安

褥瘡治療の教育資料では、滲出液の区分をドレッシング材の交換頻度の目安として、次のように示しています。

区分目安
e0滲出液なし
e1少量:毎日の交換を必要としない程度
e3中等量:1日1回の交換を要する程度
E6多量:1日2回以上の交換を要する程度

ただし、交換回数は使用する材や施設の運用、汗・失禁による汚染にも左右されます。区分だけで判断せず、飽和や漏れ、周囲皮膚の状態も一緒に確認してくださいね。

ドレッシング材は創の状態に合わせて選ぶ

多量の滲出液では、吸収するだけでなく、吸収した液を保持できるかがポイントです。選択の目安を整理すると、次のようになります。

材料検討する状況注意点
ポリウレタンフォーム多量〜中等量の滲出液を吸収・保持したいとき飽和、漏れ、周囲皮膚の浸軟を確認する
アルギン酸塩・アルギン酸フォーム滲出液が多い創や、創の状態に応じて吸収材を使いたいとき乾燥した創には適さず、創内に残らないよう確認する
ハイドロファイバー滲出液が多く、創の形や深さに合う材を選びたいとき創の大きさ・深さに合うサイズを選ぶ
ハイドロコロイド滲出液が少量〜中等量で、創面を保護したいとき多量の滲出液や感染が疑われる創では慎重に使う
ポリウレタンフィルム滲出液が少ない浅い創の保護多量の滲出液には不向き

創が深い場合は、創腔に適した吸収材を検討します。ただし、創腔に詰め過ぎると排液を妨げたり、肉芽形成に影響したりする可能性があります。充填した量や残留の有無を記録し、創の縮小に合わせて量を見直しましょう。

また、乾燥した壊死組織がある創に、フィルムなどで単純に密閉するのが適切でない場合もあります。感染や壊死組織、血流、創の深さを確認し、製品の使用方法や施設の手順に沿って選んでください。褥瘡治療の解説でも、創面を観察でき、交換時に肉芽や上皮を傷つけにくい材が望ましいとされています。

交換時期は飽和・漏れ・皮膚の状態で考える

交換のタイミングを「毎日」と一律に決めるのではなく、材や創の状態を見て調整します。たとえば、次のような変化があれば交換や材質の見直しを考えます。

  • 滲出液で材が飽和している
  • 滲出液が外へ漏れている
  • 創周囲の皮膚がふやけたり、びらんができたりしている
  • 排泄物や汗で汚染された
  • 悪臭や感染を疑う変化がある
  • 材がずれたり、剥がれたりしている

過剰な滲出液が皮膚に触れ続けると、周囲の浸軟や皮膚障害につながることがあります。滲出液のコントロールと褥瘡ケアの解説も参考に、洗浄後は周囲皮膚をこすらず乾かし、必要に応じて皮膚保護剤を使います。材のサイズや密着性が合わず漏れている場合は、吸収力だけでなく、創に合う形や固定方法も見直しましょう。

感染や深部の変化が気になるとき

悪臭や膿性の滲出液、周囲の発赤・熱感・腫脹、疼痛の増強、創の急な拡大などがあるときは、ドレッシング材の変更だけで済ませず、医療者間で評価します。発熱や悪寒、倦怠感、意識状態の変化など、全身状態の変化も合わせて確認してください。

感染が疑われる創や壊死組織が多い創では、ハイドロコロイドなど閉鎖性の高い材を安易に使わないよう注意が必要です。褥瘡治療の教育資料も確認しながら、排液を妨げない処置や壊死組織の評価などを、医師の指示のもとで検討します。

なお、滲出液が増える理由は感染だけとは限りません。圧迫やずれ、壊死組織、ポケット、失禁などの影響も考え、創全体を見直しましょう。

現場で迷ったときの進め方

まずは、ドレッシング材を選ぶ前に、前回と今回の違いを整理してみましょう。次の順で確認すると、報告や相談に必要な情報がまとまりやすくなります。

  1. 全身状態:発熱や悪寒、倦怠感、疼痛の増強がないか
  2. 滲出液の変化:量、色、性状、臭気、交換回数、飽和や漏れ
  3. 創の状態:深さ、ポケット、壊死組織、肉芽、出血
  4. 周囲皮膚:浸軟、発赤、びらん、皮膚剥離
  5. ケアの見直し:材質・サイズ・交換頻度が創に合っているか

多量の滲出液には、まず吸収・保持力のあるポリウレタンフォームを検討し、創の深さや形に応じてアルギン酸系やハイドロファイバーなども考えます。どの材を使う場合も、飽和・漏れ・皮膚障害がないかを見ながら調整してください。DESIGN-R®の経時変化も、ケアを見直す手がかりになります。

まとめ

褥瘡の滲出液が多いときは、吸収力のある材に替えるだけでなく、創の変化を確認することが大切です。

  • 量に加えて、色・性状・臭気・増え方を前回と比べる
  • 創の深さ、ポケット、壊死組織、創周囲皮膚も見る
  • 多量の滲出液には、ポリウレタンフォームを基本に創に合う材を検討する
  • 飽和、漏れ、皮膚の浸軟があれば、材質・サイズ・交換頻度を見直す
  • 感染を疑う所見や全身状態の変化があれば、早めに報告する

「滲出液が多いからこの材」と決めつけず、創の変化をひとつずつ確認していきましょう。

筆者の体験談

私が看護師をしていた頃、褥瘡のドレッシング材を交換すると、前回よりも滲出液が多く、周囲の皮膚もふやけて見えたことがありました。交換した材を見ながら、「前回より吸収量が増えているな」と感じ、創の周囲にも目を向けました。

最初は「吸収力の高い材に替えれば落ち着くかな」と考えましたが、臭いも少し気になり、「材だけ替えてよいのだろうか」と迷いました。滲出液の量だけで判断せず、色や性状、創面、ポケット、周囲の皮膚も確認する必要があると考え直しました。

そこで、前回の記録と比べながら創の状態をもう一度確認し、自分だけで判断を決めず、先輩にも見てもらって対応を相談しました。創や周囲の皮膚にどのような変化があったかを共有することで、材を替えることだけでなく、創全体を見て考える大切さを改めて感じました。

その場面を振り返ると、私は「滲出液が多い」という印象だけで、交換方法を決めそうになっていたのだと思います。それ以来、滲出液の量を見たときには、創と周囲の皮膚が前回からどう変わったのかも一緒に考えるようになりました。

この体験談は臨床場面をイメージするためのもので、医学的根拠を示すものではありません。材の選択や感染の評価は、創の状態や施設の手順に沿って医療者間で相談してください。

FAQ

透明や淡黄色の滲出液でも、感染を疑うべきですか?

色だけで感染とは判断できません。膿性・混濁した滲出液や悪臭、発赤の拡大、疼痛の増強など、ほかの変化も合わせて確認しましょう。

滲出液が多いときは、必ずポリウレタンフォームを使いますか?

必ずではありません。ポリウレタンフォームは多量の滲出液を吸収・保持する選択肢ですが、創の深さや形、感染、壊死組織、周囲皮膚などに応じてほかの材も検討します。

ドレッシング材を1日何回交換するか、決まっていますか?

一律には決められません。材が飽和する、漏れる、皮膚がふやける、汚染されるといった状態を見て調整します。DESIGN-R®の交換頻度による区分も、材の飽和や周囲皮膚の状態と合わせて活用してください。

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この記事を書いた人
ユウ塾長

看護師・看護大学教員としての経験を持ち、これまでに看護関連書籍を約10冊執筆・出版。臨床・教育・執筆で培った知識と経験をもとに、看護師・看護学生が「なぜそうするのか」を理解できるよう、根拠に基づいた看護情報をわかりやすく解説しています。

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