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低血糖で冷汗・動悸が出る理由と看護の観察ポイント 早期発見と対応

症状別看護
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低血糖で冷汗や動悸が出る理由|交感神経の反応と看護の観察ポイント

こんにちは、ユウです。

みなさんは、患者さんに冷汗や動悸が出ているとき、「不安や緊張のせいかな」と考えたことはありませんか?

冷汗や動悸は、さまざまな場面で見られる症状です。しかし、糖尿病治療中の患者さんや、食事が十分に取れていない患者さんでは、低血糖のサインかもしれません。

今回は、低血糖で冷汗や動悸が出る理由と、看護師・看護学生が観察したいポイントについて解説します。

結論:冷汗や動悸は、低血糖に対する交感神経の反応

結論からいうと、低血糖で冷汗や動悸が出る主な理由は、血糖値が下がったときに、体が血糖を上げようとして交感神経を働かせるためです。

血糖が低下すると、体は「このままではエネルギーが足りない」と判断します。そこで、アドレナリンなどのホルモンを分泌し、血糖を戻そうとします。

この反応によって、次のような症状が出ます。

  • 冷汗
  • 動悸
  • 手の震え
  • 不安感
  • 顔面蒼白
  • ふらつき

つまり、冷汗や動悸は、単なる不安とは限りません。

低血糖の初期サインかもしれないため、可能であれば血糖を測定し、患者さんの意識や全身状態を確認することが重要です。

低血糖が進行すると、頭痛、目のかすみ、意識障害、けいれんなどが出ることがあります。意識障害やけいれんがある場合は、重症低血糖として緊急対応が必要です。

この記事の要点

  • 低血糖で冷汗や動悸が出る仕組み
  • 交感神経症状と中枢神経症状の違い
  • 低血糖を疑ったときの観察ポイント
  • 血糖値の目安と症状の考え方
  • 看護師・看護学生が見落としやすいポイント

この記事の読了時間

目安:約8分

根拠:血糖を上げようとして交感神経が働く

低血糖になると、体は血糖を上げる方向に反応します。

この反応を、カウンターレギュレーション、つまり「血糖を戻そうとする拮抗調節」と呼びます。

血糖を上げるために、アドレナリンなどのホルモンが分泌されます。すると交感神経が刺激され、心拍数が増えたり、発汗が起こったりします。

その結果として現れるのが、動悸や冷汗、手の震えなどです。

日本イーライリリーの低血糖に関する解説や、広津クリニックの反応性低血糖の解説上六川クリニックの解説でも、低血糖時の冷汗や動悸は、交感神経やアドレナリンの働きによる症状として説明されています。

血糖が下がる

体が血糖を上げようとする

交感神経が働く

冷汗・動悸・震えが出る

詳しい解説:低血糖の症状は大きく2つに分けて考える

低血糖の症状は、主に「交感神経症状」と「中枢神経症状」に分けて考えられます。

1.交感神経症状

血糖低下に対して、体が血糖を上げようと反応したときに出やすい症状です。

  • 冷汗
  • 動悸
  • 手の震え
  • 不安感
  • 空腹感
  • 顔面蒼白

これらは、低血糖を知らせる早期警告症状として重要です。

患者さんが「汗が急に出てきた」「胸がドキドキする」「手が震える」と訴えたときは、緊張や不安だけでなく、低血糖も考えます。

2.中枢神経症状

低血糖が進行し、脳へのエネルギーが不足すると、中枢神経症状が出ることがあります。

  • 頭痛
  • 目のかすみ
  • ふらつき
  • 判断力の低下
  • 意識障害
  • けいれん

日本イーライリリーの解説や、オムロン ヘルスケアの低血糖に関する解説では、低血糖の進行によって意識障害やけいれんなどの重い症状が起こりうることが説明されています。

交感神経症状が出ている段階で気づければ、重症化する前に対応できる可能性があります。

低血糖の数値は70mg/dL未満が目安

低血糖の数値については、70mg/dL未満を目安とする解説があります。下山内科の低血糖に関する解説や、Medical DOCの解説でも、70mg/dL未満が低血糖の目安として示されています。

ただし、冷汗や動悸がある場合に、数値が確認できるまで様子を見るという意味ではありません。

患者さんに低血糖を疑う症状があるなら、

  1. 症状を確認する
  2. 可能であれば血糖を測定する
  3. 意識状態と全身状態を確認する
  4. 施設の手順や指示に沿って対応する
  5. 必要時は医師や責任者へ報告する

という流れで考えます。

症状があるのに「血糖値を測っていないから低血糖ではない」と決めつけるのも危険です。一方で、症状だけで低血糖と断定することもできません。

症状と血糖値の両方を確認することが大切です。

実践ポイント:低血糖を疑ったときに確認すること

冷汗や動悸が見られたら、次の項目を確認します。

患者さんの訴え

まずは、何が起きているのかを患者さんに聞きます。

  • 急に汗が出たのか
  • 動悸や手の震えがあるのか
  • 空腹感があるのか
  • ふらつきや目のかすみがあるのか
  • 頭痛や気分不良があるのか
  • 意識がぼんやりしていないか

患者さんが「不安です」と話していても、不安だけが原因とは限りません。

冷汗、動悸、震えなどが同時にある場合は、低血糖の可能性を考えて血糖測定につなげます。

血糖値

可能であれば血糖を測定します。

血糖値が70mg/dL未満であれば低血糖の目安になります。ただし、患者さんの症状や治療内容、普段の血糖値なども含めて判断します。

食事の状況

低血糖の背景として、次のような状況がないか確認します。

  • 食事を食べられていない
  • 食事の時間が遅れた
  • 食事量が少なかった
  • 嘔気や食欲低下がある
  • 運動をした
  • 飲酒があった

食事摂取不足や食事の遅れは、低血糖の背景になることがあります。下山内科の解説や、Medical DOCの解説でも、食事、運動、飲酒、薬剤などが低血糖の要因として挙げられています。

薬剤の使用状況

糖尿病治療中の患者さんでは、インスリンやSU薬などの使用状況も確認します。

  • インスリンを使用しているか
  • SU薬を使用しているか
  • 投与量や投与時間に変更がないか
  • 食事を取らないまま薬剤を使用していないか
  • 薬剤の重複や投与間違いがないか

薬剤については、自己判断で中止や追加を行わず、医師の指示や施設の手順に沿って対応します。

看護で見落としやすいポイント

「不安」や「動悸」を精神的なものと決めつけない

患者さんが「怖い」「不安」「胸がドキドキする」と話すと、緊張や不安が原因だと考えてしまうことがあります。

もちろん精神的な要因も考えられます。しかし、糖尿病治療中であったり、食事摂取が不十分であったりする場合は、まず低血糖の可能性を確認します。

バイタルサインだけで終わらせない

冷汗や動悸がある患者さんに対して、血圧や脈拍だけを確認して終わるのではなく、血糖測定につなげる視点が必要です。

低血糖の判断では、患者さんの訴え、意識状態、食事、薬剤、血糖値を一緒に見ます。

意識障害やけいれんがあれば緊急性を考える

冷汗や動悸の段階から、意識がぼんやりしている、反応が鈍い、けいれんがあるという状態に変化した場合は、重症化している可能性があります。

その場合は、患者さんに無理に飲食させるなどの自己判断はせず、施設の手順に沿って、すぐに応援要請や報告を行います。

筆者の体験談

私が看護師をしていた頃、夕方のラウンド中に、患者さんから「なんだか急に汗が出てきて、胸がドキドキします」と言われたことがありました。

その患者さんは少し不安そうな表情をしていて、私は最初、環境の変化や疲れから緊張しているのかなと思いました。

ただ、ベッドサイドを見ると、昼食後から食事があまり進んでいなかったことが記録に残っていました。

「あれ、食事が少なかったのに、いつも通り薬を使っているかもしれない」

そう思った瞬間、低血糖の可能性が気になりました。

先輩看護師に「冷汗と動悸の訴えがあり、食事摂取も少なかったので、血糖を確認したいです」と相談し、測定を行いました。その後は、院内の手順に沿って対応し、医師にも報告しました。

患者さんは「不安なだけだと思っていた」と話していました。

私自身も、訴えを聞いた時点では「不安」という言葉に引っ張られそうになりました。しかし、食事の状況と症状を合わせて考えると、確認すべきことが別に見えてきました。

この経験があってから、私は「不安」「気分が悪い」「汗が出る」という訴えを聞いたとき、症状だけで判断せず、食事や薬剤、血糖のことを思い出すようになりました。

まとめ

  • 低血糖で冷汗や動悸が出るのは、血糖を上げようとして交感神経が働くため
  • 冷汗、動悸、手の震えは、低血糖の初期サインとして重要
  • 低血糖が進むと、意識障害やけいれんなどの中枢神経症状が出ることがある
  • 低血糖の数値は70mg/dL未満が目安とされる
  • 冷汗や動悸があれば、可能な限り血糖を測定する
  • 食事摂取量、食事の遅れ、運動、飲酒、インスリンやSU薬の使用状況も確認する
  • 意識障害やけいれんがある場合は、重症低血糖として緊急対応が必要

ざっくり言うと、

冷汗や動悸は、体が血糖低下を知らせているサインかもしれない。
不安や緊張と決めつけず、血糖値と意識状態を確認する。

この視点を持っておくことが、低血糖の早期発見につながります。

FAQ

Q1.冷汗や動悸があれば、必ず低血糖ですか?

いいえ。冷汗や動悸だけで低血糖と断定することはできません。

ただし、低血糖で見られる代表的な症状なので、糖尿病治療中、食事摂取不足、食事の遅れなどがある場合は、低血糖を疑って血糖測定を検討します。

Q2.血糖値が測れない場合はどうすればよいですか?

血糖値を測定できない場合でも、冷汗や動悸、震え、意識状態などの症状を観察し、低血糖の可能性を考えて報告・相談します。

特に意識障害やけいれんがある場合は、血糖測定を待つのではなく、施設の手順に沿って緊急対応を行います。

Q3.冷汗がなくても低血糖の可能性はありますか?

あります。

低血糖の症状は患者さんによって異なります。冷汗がないから低血糖ではないと判断せず、動悸、震え、ふらつき、意識の変化なども一緒に確認します。

Q4.低血糖が疑われる患者さんに、すぐ飲食してもらえばよいですか?

患者さんの意識状態や嚥下の状態によって対応が異なります。

意識障害やけいれんがある場合は、誤嚥などの危険があるため、自己判断で飲食させず、施設の手順に沿って緊急対応を行います。

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