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変形性膝関節症の杖の使い方と看護で確認する観察ポイント

フィジカルアセスメント
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こんにちは、ユウ塾長です。変形性膝関節症の患者さんに杖を勧めるとき、「痛い膝と同じ側で持つの?反対側?」「高さはどこに合わせればいいの?」と迷ったことはありませんか?杖は、持つ手や高さが合っているかで使いやすさが変わりますよね。今回は、患者さんへの説明の仕方と、歩行時に確認したいポイントを整理します。

結論:痛い膝と反対側の手で持ち、歩いて調整する

片側の膝が痛い場合は、原則として痛い膝と反対側の手で杖を持ちます。右膝が痛ければ左手、左膝が痛ければ右手です。杖の高さは、杖先を接地したときに肘が軽く曲がり、肩がすくまない位置を目安にします。

ただし、持つ手や高さを決めて終わりではありません。実際に歩いてもらい、痛みが軽くなるか、ふらつかないか、杖に無理なく体重をかけられるかを確認しましょう。両膝が痛む場合や、反対側の手に麻痺や痛みがある場合は、杖の種類も含めて医師や理学療法士と相談します。

読了時間の目安

約6分

この記事でわかること

  • 杖を痛い膝の反対側で持つ理由
  • 杖の高さを合わせる方法と、歩行中の確認ポイント
  • 杖を勧めるときに観察したいこと
  • 反対側の手で持つのが難しい場合の考え方

結論の根拠:持つ手だけでなく、歩き方も確かめる

杖を痛い膝の反対側で持つと、杖に体重をかける力を利用して、痛い側の膝にかかる荷重を減らすことが期待できます。「杖負荷量が変形性膝関節症患者の膝関節内側荷重量に及ぼす影響」では、反対側の手で杖を使い、杖への荷重が増えるほど、膝関節内側の荷重量が減少したと報告されています。

一方で、痛い膝と同じ側で杖を持った場合にも、下肢の荷重軽減が得られる可能性を示した研究があります。同側・反対側での杖使用を比較した研究の抄録情報もあるため、「必ず反対側でなければならない」と決めつけず、患者さんの痛みやバランス、上肢の状態に合わせて考えることが大切です。

高さについては、岡山済生会病院の解説で、手首の位置を目安にしながら、肘が軽く曲がる高さに調整する方法が紹介されています。ただし、今回確認できた資料では、すべての患者さんに当てはまる単一の高さの数値は示されていません。立った姿勢だけでなく、実際に歩いたときの安定性も見て調整しましょう。

詳しい解説:杖は痛い膝と反対側で持つのが基本

右膝が痛い場合は左手、左膝が痛い場合は右手で持ちます。杖と痛い脚を一緒に前へ出し、その後に反対の脚を出すのが基本の順序です。

患者さんには、たとえば次のように伝えると分かりやすいでしょう。

「右膝が痛いので、杖は左手で持ちます。杖と右脚を一緒に前へ出してから、左脚を出しましょう」

一度にたくさん説明するより、平地で数歩歩きながら、動きを一つずつ確かめると伝わりやすくなります。

反対側の手に麻痺や強い痛みがあるなど、基本の持ち方が難しいこともあります。その場合は、患者さんが安全に歩けるか、痛みが軽くなるか、杖に十分体重をかけられるかを確認し、必要に応じて医師や理学療法士に相談してください。

杖の高さは「肘が軽く曲がる」を目安にする

高さを合わせるときは、靴を履いて自然に立ち、杖先を足の外側より少し前に置きます。目安は、足の外側からおおむね15cm程度前方・外側です。グリップを握ったとき、肩をすくめず、肘が軽く曲がる位置に調整しましょう。

手首の高さは簡便な目安になりますが、腕の長さや姿勢、靴などによって合う高さは異なります。手首だけで決めず、立った姿勢と歩行中の様子を合わせて確認するのがコツです。

高さが合っていないと、たとえば次のような様子が見られることがあります。

  • 杖が高すぎる:肩がすくむ、肘が伸びきる、体が傾く
  • 杖が低すぎる:前かがみになる、肘が曲がりすぎる、腰や肩に負担がかかる

調整したら、患者さんに数歩歩いてもらいましょう。痛み、ふらつき、上体の傾き、杖先の接地位置を見て、必要なら高さを見直します。

実践ポイント:看護では歩行中の安全と使いやすさを確認する

杖を勧めるときは、持つ手や高さだけでなく、患者さんが杖を使って安全に歩けるかも確認します。まずは平地で、次の点に注目してみましょう。

  • 痛い膝と反対側の手で持てているか
  • 杖と痛い脚を一緒に出せているか
  • 杖先が身体から離れすぎていないか
  • 杖に体重をかけたとき、肩がすくんだり上体が大きく傾いたりしていないか
  • 方向転換や立ち止まりでふらつかないか
  • 使用後に手、肩、腰、反対側の膝の痛みが増えていないか

握力が弱い、手や肩に痛みがある、ふらつきが強い、両膝が痛むなどの場合は、片手杖だけでは支えが十分でないこともあります。杖の種類や歩行器などの選択について、専門職と相談しましょう。

杖先のゴムも忘れずに確認してください。摩耗していたり、杖先が安定して接地しなかったりすると、杖の高さが合っていても不安定になることがあります。

段差や階段では、平地での歩き方をそのまま当てはめないようにしましょう。階段昇降が必要な場合は、手すりの有無や患者さんの状態を踏まえて、実際の環境で専門職と動作を確認します。

患者さんへの説明で大切にしたいこと

杖の説明では、持ち方の正解を伝えるだけでなく、患者さんが実際に使えるかを一緒に確かめることが大切です。私なら、まず「右膝と左膝のどちらがつらいですか?」と確認し、持つ手を説明してから、患者さんの歩き方を見ます。

たとえば、説明どおりに杖を持てていても、歩くと体が大きく傾いたり、杖に体重をかけるのを怖がったりすることがあります。そうした様子があれば、無理に手順を続けてもらうのではなく、いったん止まって、痛みや持ちやすさを聞き直します。

杖は「正しい持ち方を覚えたら終わり」ではなく、患者さんにとって安全で、続けやすいかを確かめながら調整するものです。説明のあとは、実際の歩行を見て考えることを大切にしたいですね。

筆者の体験談

患者さんへの説明を考えるとき、私は、杖を持つ手を確認したあとに「では、数歩だけ一緒に歩いてみましょう」と声をかける場面を思い浮かべます。たとえば右膝の痛みがある方に左手で杖を持ってもらい、杖と右脚を一緒に出すよう説明しても、歩き始めると杖を先に大きく出してしまうことがあります。

そのときは、手順をすぐに繰り返してもらうのではなく、杖先が身体から離れすぎていないか、肩がすくんでいないか、上体が傾いていないかを見ます。患者さんから「この持ち方だと、少し怖いです」と言われたら、痛みや不安を聞き直し、無理なく杖に体重をかけられるかを一緒に確かめます。

説明したとおりにできているかだけを見ていると、患者さんが感じている歩きにくさを見落としてしまうかもしれません。持ち方を伝えたあとも、実際の歩行を見ながら調整することが大切だと感じます。

この場面は臨床での判断をイメージするためのもので、医学的な根拠を示すものではありません。杖の持ち方や高さの目安については、上記の研究や医療機関の解説を確認し、患者さんごとの状態に合わせて考えましょう。

まとめ

変形性膝関節症で片側の膝が痛む場合、杖は原則として痛い膝と反対側の手で持ちます。高さは、肘が軽く曲がり、肩がすくまない位置が目安です。

ただし、持つ手や高さは固定的に決めつけず、歩行中の痛みやふらつき、上体の傾き、杖への荷重を確認しましょう。基本の持ち方が難しい場合や、片手杖では不安定な場合は、専門職と相談して補助具や方法を調整してくださいね。

FAQ

両膝が痛い患者さんにも、片手杖を勧めてよいですか?

両膝の痛みが強い場合、片手杖だけでは十分な支持が得られない可能性があります。実際の歩行の安定性を確認し、歩行器なども含めて医師や理学療法士に相談しましょう。

手首の高さに合わせれば、それで十分ですか?

手首の位置は簡便な目安ですが、それだけでは決められません。杖先を接地したときに肘が軽く曲がり、肩がすくまず、歩行中も安定して使えるかを確認してください。

杖を痛い膝と同じ側で持つのは間違いですか?

反対側で持つのが基本ですが、同じ側での使用でも荷重軽減が得られる可能性を示した研究があります。同側・反対側での杖使用を比較した研究も参考にしながら、反対側の手に麻痺や痛みがある場合などは、安全性や使いやすさを踏まえて専門職と調整します。

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