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オピオイド使用時の呼吸抑制 観察ポイント 看護師・看護学生向け 早期発見のために

フィジカルアセスメント
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オピオイド使用中の呼吸抑制を疑うサイン|看護師・看護学生の観察ポイント

こんにちは、ユウです。

みなさんは、オピオイドを使用している患者さんが眠そうにしているとき、「薬の影響かな?」「呼吸数が下がっていなければ大丈夫?」と迷ったことはありませんか?

呼吸抑制は、呼吸数だけを見ていると気づきにくいことがあります。今回は、オピオイド使用中に呼吸抑制を疑うサインと、看護師・看護学生が確認したい観察ポイントを解説します。

結論:呼吸数だけでなく、眠気と呼吸の「質」も見る

オピオイド使用中に呼吸抑制を疑うときは、呼吸数に加えて、眠気・意識レベル・呼吸の深さやリズム・SpO₂・胸郭の動きをセットで観察します。

特に、いつもより眠気が強い、呼びかけへの反応が鈍いといった変化は、呼吸数が明らかに低下する前でも見逃したくないサインです。呼吸が浅い、不規則、途切れるといった変化があれば、呼吸数だけで判断せず、速やかに応援を呼び、施設の手順に沿って報告・対応につなげます。

判断のポイント:呼吸数やSpO₂の数値だけで状態を決めつけず、眠気・意識レベル・呼吸の様子を普段と比べて評価します。異常があれば、速やかに応援を呼び、医師へ報告して施設の手順に従ってください。

この記事の読了時間の目安:約7分

この記事でわかること

  • オピオイドによる呼吸抑制を疑うときの観察項目
  • 傾眠を早期サインとして見る理由
  • 呼吸数やSpO₂だけで判断しないためのポイント
  • 異常に気づいたときの報告・記録の考え方

結論の根拠:厚生労働省や学会の資料でも複数項目の観察が示されている

厚生労働省の「医療用麻薬適正使用ガイダンス 令和6年」では、眠気の有無、呼吸回数、呼吸リズムなどを観察し、酸素化も確認することが示されています。

また、厚生労働省の2017年版ガイダンスでは、傾眠を呼吸抑制の初期症状として捉え、重篤な場合は気道確保やナロキソンを考慮するとしています。

日本緩和医療学会「がん疼痛の薬物療法に関するガイドライン 2020年版」では、オピオイド誘発性呼吸抑制への対応として、ナロキソンなどの拮抗薬を速やかに使用することや、酸素投与、患者の覚醒と呼吸を促すことが示されています。薬剤の使用や具体的な対応は、医師の指示や施設の手順に従います。

さらに、日本集中治療医学会誌掲載の呼吸モニタリングに関する論文では、SpO₂だけに頼らず、呼吸数、胸郭運動、呼吸音なども確認する必要性が述べられています。

これらの資料から、呼吸数だけでなく、眠気や意識、呼吸の様子、酸素化を合わせて観察することが重要と分かります。

オピオイドによる呼吸抑制とは?

オピオイドは、痛みを和らげるために使われる薬です。一方で、呼吸を促す働きが抑えられ、呼吸が遅くなったり、浅くなったりすることがあります。

呼吸抑制のサインは、単に「呼吸数が少ない」だけではありません。患者さんの眠気が強くなったり、呼びかけても反応しにくくなったり、呼吸の深さやリズムに変化が出たりすることがあります。

厚生労働省の令和6年ガイダンスや2017年版ガイダンスでは、傾眠が初期症状として扱われています。「眠っているから休めている」と決めつけず、普段と比べて覚醒の程度が変わっていないかを見ることが大切です。

呼吸抑制を疑うときに確認したい観察項目

観察項目 確認すること
眠気・意識レベル いつもより眠そうか、呼びかけで目を開けるか、反応が鈍くないか
呼吸数 呼吸回数が減っていないか。必要に応じて頻回に確認する
呼吸の深さ・リズム 浅い呼吸、不規則な呼吸、呼吸が途切れる様子がないか
SpO₂ 酸素化の状態に変化がないか
胸郭の動き 胸の上下動が十分か、左右差がないか
呼吸音 必要に応じて聴診し、変化がないか
瞳孔 縮瞳がないか
疼痛と薬剤の経過 痛みが改善した後に眠気や呼吸の変化が出ていないか

日本集中治療医学会誌掲載の呼吸モニタリングに関する論文では、SpO₂だけではなく、呼吸数や胸郭運動、呼吸音も確認する必要性が示されています。SpO₂の数値だけを見て「問題ない」と判断せず、患者さんの呼吸そのものも観察しましょう。

呼吸数の数値だけで判断しない

近畿大学病院の緩和ケアマニュアルでは、呼吸回数10回/分未満で対処を検討するとされています。ただし、これは施設のマニュアルに示された目安であり、すべての現場に共通する一律の基準として扱うものではありません。

呼吸数がその目安を下回っていなくても、傾眠や呼びかけへの反応低下、浅い呼吸、不規則なリズムがあれば注意が必要です。反対に、数値だけで状態を決めつけず、普段との違いや他の観察所見を合わせて評価します。

異常に気づいたときの看護のポイント

1.傾眠や反応の変化を確認する

「眠そう」という印象だけで終わらせず、声かけへの反応や覚醒のしやすさを確認します。いつから変化したのか、投与後の経過や薬剤の変更があったかも、分かる範囲で確認します。

2.呼吸の回数と質を合わせて見る

呼吸数を数えるだけでなく、呼吸が浅くないか、リズムが乱れていないか、胸郭が十分に動いているかを見ます。必要に応じてSpO₂や呼吸音も確認します。

3.異常があれば、速やかに報告・対応につなげる

反応が著しく鈍い、呼吸が浅い・不規則・途切れる、呼吸数が低下しているなどの変化があれば、速やかに応援を呼び、医師へ報告して施設の緊急対応手順に従います。

厚生労働省の医療用麻薬適正使用ガイダンスや日本緩和医療学会のガイドラインでは、状態に応じた酸素投与やナロキソンなどの対応が示されています。実施の判断や薬剤の使用は、指示・施設手順に従ってください。

4.数値だけでなく、観察した様子を記録する

呼吸数やSpO₂に加えて、「呼びかけると一度目を開けたが、すぐ眠り込む」「呼吸が浅く、間隔が不規則に見える」など、患者さんの様子を具体的に記録します。こうした記録は、変化をチームで共有し、経過を評価する助けになります。

筆者の体験談

臨床場面をイメージするための一例

以下は、特定の患者さんについての筆者自身の実体験ではなく、観察の考え方をイメージするための例です。

オピオイドを使用している患者さんが、痛みは落ち着いたものの、いつもより眠そうに見えます。呼びかけると目を開けますが、会話の途中でまた目を閉じてしまいます。

このとき、「痛みが和らいで休めているのかな」と考える一方で、眠気の変化が気になります。呼吸数だけで判断せず、呼吸の深さやリズム、胸の動き、SpO₂、呼びかけへの反応を続けて確認し、変化があれば応援を呼んで報告します。

このように場面を分けて考えると、「眠気があるか」だけでなく、「普段と比べてどうか」「呼吸の様子も変わっているか」を言葉にして共有しやすくなります。

まとめ

今回の記事のポイントをまとめると、次のとおりです。

  • オピオイド使用中の呼吸抑制は、呼吸数だけで判断しない
  • 傾眠や呼びかけへの反応低下は、見逃したくないサイン
  • 呼吸の深さ・リズム、SpO₂、胸郭の動きなども合わせて確認する
  • 異常があれば速やかに報告し、指示と施設の手順に沿って対応する
  • 記録には数値だけでなく、患者さんの具体的な様子も残す

「眠そうだけど、呼吸数は大丈夫」と数値だけで判断せず、眠気と呼吸の質を一緒に見ることが、早期の気づきにつながります。

FAQ

呼吸数が基準内なら、呼吸抑制の心配はありませんか?

呼吸数だけでは判断できません。傾眠、反応の低下、浅い呼吸、不規則な呼吸、SpO₂や胸郭運動の変化も合わせて確認します。

SpO₂が保たれていれば安心ですか?

SpO₂だけで判断しないことが大切です。日本集中治療医学会誌掲載の呼吸モニタリングに関する論文では、呼吸数や胸郭運動、呼吸音も確認する必要性が述べられています。

呼吸数10回/分未満は、どの施設でも共通する基準ですか?

一律の基準とは限りません。近畿大学病院の緩和ケアマニュアルには10回/分未満で対処を検討する記載がありますが、施設ごとの手順を確認してください。数値にかかわらず、意識や呼吸の状態に異常があれば速やかに報告します。

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