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輸液中の腫れや痛み 浸潤と静脈炎を看護師が見分ける観察ポイント

フィジカルアセスメント
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輸液中の腫れや痛みは浸潤?静脈炎?看護師が見分ける観察ポイント

こんにちは、ユウです。

みなさんは、輸液中に患者さんから「刺しているところが痛い」「少し腫れている」と言われたとき、浸潤と静脈炎のどちらを考えるか迷ったことはありませんか?

どちらも痛みや腫れが起こることがあるため、見た目だけで判断するのは難しいですよね。今回は、浸潤と静脈炎の違いと、看護師・看護学生が確認したい観察ポイントを解説します。

結論:腫れだけで判断せず、発赤の広がり方・皮膚温・硬さを確認する

輸液中の腫れや痛みに気づいたら、まず刺入部周囲に腫れがあるか、赤みが静脈に沿って広がっているかを確認します。

  • 浸潤が疑われる所見:刺入部周囲に限局した腫れ、皮膚の冷たさ、白っぽさ、張る感じ
  • 静脈炎が疑われる所見:静脈に沿った発赤、熱感、圧痛、硬結や索状硬結

ただし、痛み・発赤・腫脹はどちらにも起こり得ます。これらの所見だけで断定せず、輸液の状態と刺入部を再確認し、施設の手順に沿って対応・報告してください。薬剤によっては漏出が重症化する可能性もあるため、痛みや腫れに気づいたら早めの対応が必要です。

この記事の読了時間

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この記事でわかること

  • 浸潤と静脈炎の違い
  • 痛みや腫れがあるときに見たい皮膚所見
  • 輸液中に変化へ気づいたときの対応の考え方
  • 観察や報告で意識したいポイント

結論の根拠:浸潤と静脈炎では、変化が目立つ場所や皮膚の状態が異なる

浸潤は、輸液や薬液が血管の外へ漏れ、周囲の組織に広がった状態です。刺入部周囲の腫れや皮膚の緊張、冷感、白っぽさなどが手がかりになります。Ubie Healthの解説でも、浸潤では局所の腫れや冷たさ、張る感じなどが説明されています。

一方、静脈炎は、静脈の壁に炎症が起きた状態です。鹿児島大学病院の「末梢静脈カテーテルの管理」では、発赤、腫脹、圧痛、熱感、硬結などが観察項目として示されています。発赤や硬さが静脈の走行に沿っているかどうかも、判断の手がかりになります。

血管外漏出については、神奈川県看護協会の「血管外漏出対応」資料などで対応に関する情報が公開されています。薬剤によっては漏出後に重症化する可能性があるため、刺入部の変化を早期に捉え、施設の対応手順を確認することが重要です。

ただし、これらは観察の手がかりです。腫れや痛みだけで原因を決めつけるのではなく、複数の所見を合わせて確認しましょう。

浸潤と静脈炎の違い

浸潤:刺入部の周囲に液体が漏れている状態

浸潤では、血管の外へ出た輸液や薬液によって、刺入部周囲の組織に変化が見られます。

確認したいのは、腫れの場所や皮膚の状態です。腫れが刺入部の周囲に限局しているか、皮膚が冷たくないか、白っぽくなっていないか、張る感じがないかを観察します。

輸液の流れが悪くなることもありますが、流れの低下や停止だけでは原因を判断できません。ポンプのアラームや滴下状況も含めて確認し、刺入部の変化と合わせて考えます。

静脈炎:静脈に沿って炎症が起きている状態

静脈炎では、刺入部だけでなく、血管の走行に沿って発赤や硬さが見られることがあります。

皮膚に熱感があるか、触れたときに圧痛があるか、線状の硬い部分(索状硬結)がないかを確認しましょう。静脈に沿った赤みや熱感、硬結は静脈炎を考える手がかりになります。

静脈炎が疑われる場合は、施設の手順に従って投与を止めるか、医師へ報告するか、カテーテルを抜去するかを確認します。抜去などの対応は状況や施設の基準に沿って判断してください。

浸潤と静脈炎を見分ける観察ポイント

観察項目 浸潤で手がかりになる所見 静脈炎で手がかりになる所見
腫れの場所 刺入部周囲に限局しやすい 静脈に沿った発赤や硬さを伴うことがある
皮膚の温度 冷感がみられることがある 熱感がみられることがある
皮膚の色・状態 白っぽさ、皮膚の張りがみられることがある 静脈に沿った発赤がみられることがある
硬さ 腫れや皮膚の緊張を確認する 硬結や索状硬結を確認する
痛み 張る感じや違和感が手がかりになることがある 圧痛や鋭い痛みが手がかりになることがある

これはあくまで観察の目安です。所見が典型的でない場合や、どちらとも判断しにくい場合もあります。「腫れているから浸潤」「赤いから静脈炎」と単独の所見だけで決めず、発赤の広がり方、皮膚温、硬さ、痛みの性質を組み合わせて確認します。

看護師・看護学生が実践するときのポイント

1.患者さんの訴えをきっかけに刺入部を確認する

「痛い」「張る」「違和感がある」という訴えがあったら、輸液が流れているから大丈夫、と判断せずに刺入部を観察します。

腫れや発赤の範囲、皮膚の色や温度、硬さ、痛みの場所を確認しましょう。可能であれば、患者さんがいつからどのように感じているかも聞き取ります。

2.輸液の流れだけで判断しない

輸液の流れが遅い、止まっているといった変化は、浸潤や静脈炎のどちらでも起こる可能性があります。流れの状態だけで原因を決めず、刺入部の所見と合わせて評価します。

3.変化があれば施設の手順に沿って相談・報告する

痛みや腫れ、発赤などを認めたら、輸液や刺入部の状態を確認し、施設の手順に沿って対応します。静脈炎が疑われる場合は、投与停止や医師への報告、カテーテル抜去の判断が必要になることがあります。

抗がん薬など、漏出によって重症化する可能性がある薬剤では、特に早期の報告と対応が重要です。薬剤に応じた対応が必要になるため、判断に迷ったら一人で決めず、医師や先輩看護師に相談しましょう。

4.報告では「どこに、どんな変化があるか」を伝える

「腫れています」と伝えるだけでなく、観察した内容を具体的に共有します。

  • 発赤や腫れの場所・広がり
  • 皮膚の熱感または冷感
  • 硬結や索状硬結の有無
  • 患者さんが訴える痛みや違和感
  • 輸液の流れやポンプの状態

こうした情報を整理すると、状態の変化を共有しやすくなります。

筆者の体験談:腫れに気づいたときは、場所や皮膚の状態も一緒に見る

輸液中、患者さんから「刺しているところが少し張る感じがします」と言われた場面を思い浮かべてみてください。腫れに気づくと、まず浸潤を考えたくなるかもしれません。

でも、刺入部の周囲だけが腫れているのか、赤みが血管に沿って伸びているのかで、考える手がかりは変わります。皮膚を見て、温度や硬さも確かめると、「腫れがある」という情報だけでは判断できないことに気づきます。

「どこが痛みますか」「いつごろから張る感じがありますか」と患者さんに尋ねながら、刺入部の状態と輸液の流れを確認する。迷いがあるときには、見たこと・聞いたことを整理して相談するほうが、状況を共有しやすくなります。

この場面は観察の考え方をイメージするためのもので、医学的な根拠を示すものではありません。判断は複数の所見を確認し、施設の手順に沿って行いましょう。

まとめ

輸液中の腫れや痛みは、浸潤と静脈炎のどちらでも起こることがあります。腫れだけで判断せず、次の点を合わせて確認しましょう。

  • 刺入部周囲に限局した腫れや冷感、白っぽさは、浸潤を考える手がかり
  • 静脈に沿った発赤、熱感、圧痛、索状硬結は、静脈炎を考える手がかり
  • 輸液の流れだけでは原因を判断できない
  • 痛みや腫れに気づいたら刺入部を再評価し、施設の手順に沿って報告・対応する

「腫れているか」だけでなく、「どこが、どのように変化しているか」を見ることが、見分けるためのポイントです。

FAQ

痛みがあれば、浸潤か静脈炎のどちらかと判断できますか?

痛みだけでは判断できません。浸潤と静脈炎のどちらでも痛みが起こることがあります。腫れの場所、発赤の広がり方、皮膚温、硬結の有無なども合わせて確認してください。

輸液が流れていれば、浸潤ではありませんか?

輸液の流れだけで浸潤を否定することはできません。患者さんの訴えや刺入部の状態を確認し、流れの状態と合わせて評価してください。

静脈炎が疑われたら、すぐにカテーテルを抜去しますか?

対応は状況や施設の手順によって異なります。静脈炎が疑われる場合は、投与停止や医師への報告、カテーテル抜去の判断について、施設の基準に沿って対応してください。

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