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HbとHtの違い 看護師・学生が見る血液検査の要点

医療知識
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HbとHtの違い|貧血の評価で看護師・看護学生が見るべきポイント

こんにちは、ユウです。

みなさんは、血液検査の結果を見て「Hbが低いけれど、Htはどう見るのだろう」と迷ったことはありませんか?

HbとHtは、どちらも貧血の評価で使われる検査です。しかし、同じものを測っているわけではありません。Hbだけを見て「貧血がある」と判断してよいのか、Htが高いときは何を考えるのか、少し分かりにくいですよね。

今回は、HbとHtの違いと、看護師・看護学生が血液検査の結果を読むときのポイントについて解説します。

結論:Hbだけで判断せず、Ht・RBCなどと合わせて見る

結論からいうと、Hbだけでは貧血の有無や程度、血液の濃さの変化を十分に評価できません。Htも合わせて確認することが重要です。

ざっくり言うと、次のように考えます。

  • Hb:赤血球に含まれる、酸素を運ぶ蛋白の量
  • Ht:血液全体に占める、赤血球の体積割合
  • RBC:赤血球の数

Hbは「酸素を運ぶ力に関係する情報」
Htは「血液の中で赤血球がどのくらいの割合を占めているか」

を見ています。

貧血を考えるときは、Hbだけでなく、Ht・RBC・MCV・MCH・MCHCなども確認します。また、Htが高い場合には、多血症だけでなく、脱水によって血液が濃く見えている可能性も考えます。

この記事の目安

想定読了時間:約8分

この記事でわかること

この記事では、次の内容を解説します。

  • HbとHtの基本的な違い
  • HbとHtをセットで見る理由
  • Htが低い場合・高い場合の考え方
  • 貧血の評価で確認したい検査項目
  • 看護師・看護学生が起こしやすい判断の間違い

根拠:HbとHtは、同じ「貧血の指標」でも見ているものが違う

日本臨床衛生検査技師会の検査説明では、RBC・Hb・Htについて、それぞれ赤血球数、ヘモグロビン量、血液中に占める赤血球の割合を確認する検査として整理されています。

また、国立長寿医療研究センターの検査説明でも、HbやHtなどを血液の状態の評価に用いることが説明されています。

このように、HbとHtはどちらも貧血や赤血球増加の評価に使われますが、役割は同じではありません。

そのため、Hbだけを見るのではなく、

  • Hbは低下しているか
  • Htも低下しているか
  • RBCはどうか
  • 赤血球の大きさやHbの含まれ方に特徴があるか
  • 脱水など、血液の濃さに影響する状態がないか

を合わせて確認する必要があります。

詳しい解説

Hbとは?酸素運搬に関係するヘモグロビンの量

Hbは、ヘモグロビンの略です。

ヘモグロビンは赤血球の中に含まれる蛋白で、酸素を運ぶ働きに関係しています。国立長寿医療研究センター東京女子医科大学中央検査部の血液検査の解説では、Hbは血液中のヘモグロビン量をみる検査として説明されています。

Hbが低い場合、一般的には貧血を考えるきっかけになります。

ただし、Hbの値だけで、

  • 貧血の原因
  • 貧血の種類
  • 血液量の変化
  • 脱水の影響

まで判断できるわけではありません。

「Hbが低いから貧血」と考えること自体は大切ですが、そこで判断を止めないことがポイントです。

Htとは?血液中に赤血球が占める割合

Htは、ヘマトクリットの略です。

血液全体の中で、赤血球がどのくらいの体積を占めているかを示します。久留米大学病院の検査項目説明でも、Htは血液中に占める赤血球の割合として説明されています。

たとえば、血液を全体で見たときに、その中で赤血球が占める割合がどの程度かを表すのがHtです。

Htが低い場合は、貧血が疑われます。一方、Htが高い場合は、多血症や脱水などが考えられます。東京大学保健センターの血液検査の解説でも、Htの低値では貧血、高値では多血症や脱水が疑われると説明されています。

ただし、Htの基準値は施設や検査方法によって異なります。検査結果を読むときは、数値だけでなく、その検査表に記載された基準範囲を確認してください。

参考として、東京女子医科大学の公開資料では、Hctの参考値として男性39.0~47.0%が示されています。

HbとHtはなぜ一緒に見るのか

HbとHtは、どちらも赤血球に関する情報ですが、見ている側面が違います。

たとえば、Hbは酸素運搬に関係するヘモグロビン量を示します。一方でHtは、赤血球が血液中でどれだけの体積を占めているかを示します。

そのため、HbとHtの変化がいつも同じ程度になるとは限りません。

また、脱水があると血液中の水分が少なくなり、血液が濃くなったように見えることがあります。この場合、Htが高くなることがあります。東京大学保健センター国立長寿医療研究センターでも、Ht高値を考えるときに脱水の可能性が説明されています。

つまり、Htが高いからといって、すぐに赤血球そのものが増えたと決めつけることはできません。

Hb低値とHt低値がそろっている場合

Hb低値とHt低値がそろっている場合は、貧血をより支持する所見になります。

ただし、貧血の原因を特定するには、HbとHtだけでは不十分です。日本臨床衛生検査技師会船橋市立医療センターの貧血解説では、RBCや赤血球指数などを合わせて評価することが示されています。

確認したい項目は、次のとおりです。

  • RBC:赤血球の数
  • MCV:赤血球の大きさ
  • MCH:赤血球1個あたりのHb量
  • MCHC:赤血球に含まれるHbの濃さ
  • 鉄関連検査:必要に応じて貧血の原因を考える材料

ざっくり言うと、HbとHtは「貧血がありそうか」を考える材料です。どのような貧血なのか、なぜ起きているのかを考えるには、ほかの検査や患者さんの状態も必要になります。

Htが高い場合は、脱水の有無を確認する

Htが高いときは、多血症だけでなく脱水の可能性も考えます。

看護では、検査値だけを見て判断するのではなく、次のような情報と合わせて確認します。

  • 水分摂取の状況
  • 嘔吐や下痢などの有無
  • 発熱の有無
  • 尿量や排尿状況
  • 口腔内の乾燥
  • 皮膚や全身状態の変化
  • HbやRBCなど、ほかの血液検査の値

ここで大切なのは、Ht高値を見たときに「赤血球が増えた」とすぐに結論づけないことです。

「血液が濃くなっているように見える背景はないか」と考えると、脱水を含めた全身状態に目を向けやすくなります。

看護師・看護学生が実践するときのポイント

1.Hbだけで貧血あり・なしを決めない

「Hbが低い」という情報は重要です。

しかし、記録や申し送りでは、可能であれば、

  • Hb
  • Ht
  • RBC
  • MCVなどの赤血球指数

を合わせて確認します。

Hb低値とHt低値が同時にあるのか、Hbに対してHtの変化がどうなのかを見ることで、血液データを立体的に捉えやすくなります。

2.Ht高値では脱水を見逃さない

Htが高い場合は、多血症の可能性だけでなく、脱水による相対的な変化も考えます。

検査値を見たら、患者さんの飲水状況や排泄状況、発熱・嘔吐・下痢の有無などを振り返ります。

3.基準値は検査表に記載された範囲を使う

Htの基準値は、施設や検査法によって異なります。

そのため、教科書や別の医療機関の数値をそのまま当てはめるのではなく、まずは患者さんの検査結果に記載された基準範囲を確認します。

4.検査値と患者さんの状態を結びつける

血液データは、単独で患者さんの状態をすべて説明するものではありません。

検査値を見たら、

この値は、患者さんの症状や全身状態と一致しているか?

と考えてみます。

数値の変化、症状、経過、治療内容などを合わせて確認し、必要な場合は医師や先輩看護師に相談します。

筆者の体験談

私が看護師をしていた頃、採血結果を確認していたときのことです。

記録には「Hb低下あり」と書かれていました。私は最初、その記載を見て「貧血が進んでいる患者さんなのだな」と考えました。

ところが、検査結果をもう一度見ると、HtやRBC、赤血球指数も同じ画面に並んでいました。そこで、「Hbだけを見て判断してよいのだろうか」と少し迷いました。

患者さんのところへ行くと、食事や水分摂取の状況にも変化がありました。私は、検査値だけでなく、前回の採血結果やその日の全身状態も見直すことにしました。

その後、先輩看護師に「Hbだけでなく、Htやほかの値も合わせて確認したほうがよいですよね」と相談しました。先輩からも、「検査値は一つだけで判断せず、患者さんの状態と一緒に見るといい」と言われました。

そのときの私は、Hbという目立つ数値に引っ張られていたのだと思います。

この経験があってから、血液データを見るときは、まずHbを確認し、そのあとにHt・RBC・赤血球指数、さらに患者さんの全身状態を見るようになりました。今振り返ると、「低い数値を見つけること」と「その意味を考えること」は別なのだと感じています。

まとめ

今回の記事のポイントをまとめると、次のとおりです。

  • Hbは、赤血球に含まれるヘモグロビン量をみる検査
  • Htは、血液中に赤血球が占める体積割合をみる検査
  • Hbだけでは、貧血や血液の濃さの変化を十分に評価できない
  • 貧血の評価では、Hb・Ht・RBC・MCVなどをセットで確認する
  • Htが高い場合は、多血症だけでなく脱水の可能性も考える
  • 基準値は施設や検査法で異なるため、検査結果の基準範囲を確認する
  • 検査値は、患者さんの症状や水分状態などと合わせて判断する

覚えておきたいのは、

Hbは酸素運搬に関係する情報、Htは赤血球が占める割合の情報

という違いです。

この2つを分けて理解すると、血液検査の結果をより正確に読み取りやすくなります。

FAQ

Hbが低ければ、必ず貧血ですか?

Hb低値は貧血を考える重要な所見ですが、Hbだけで原因や状態のすべてを判断することはできません。Ht・RBC・MCVなどと合わせて確認します。

Htが低ければ、必ずHbも低くなりますか?

HbとHtは関係しますが、同じものを測定しているわけではありません。検査結果では、両者の値をそれぞれ確認し、ほかの赤血球関連項目と合わせて評価します。

Htが高い場合は、赤血球が増えているのですか?

Ht高値では多血症が考えられますが、脱水によって血液が濃くなり、相対的に高く見える場合もあります。水分摂取や排泄、発熱などの状態と合わせて確認します。

Htの基準値は何%ですか?

基準値は施設や検査方法によって異なります。検査結果に記載された基準範囲を確認してください。参考として、東京女子医科大学の資料では男性39.0~47.0%が示されています。

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この記事を書いた人
ユウ塾長

看護師・看護大学教員としての経験を持ち、これまでに看護関連書籍を約10冊執筆・出版。臨床・教育・執筆で培った知識と経験をもとに、看護師・看護学生が「なぜそうするのか」を理解できるよう、根拠に基づいた看護情報をわかりやすく解説しています。

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