手術中の出血は血管や組織の損傷によるもので多少は仕方がないものです。手術が終われば、徐々に出血は治まっていきます。
しかし、術後もなかなか止血されない場合や急に出血量が多くなった場合などは、止血が不十分と考えられるため注意が必要です。
ここでは、術後合併症の中でも比較的早い時期に起こる術後出血についてお話します。
術後出血
1.麻酔による身体の変化
術後合併症は、麻酔の作用や副作用により影響を受けるものが多くあります。
そのため、まずは麻酔による身体の変化について学習しましょう。
体温低下
麻酔には血管拡張作用があり、全身の血管を広げることで身体の熱が血管から外に逃げやすくなります。そのため、麻酔を行うと、体温が低下しやすくなります。
凝固障害
体温が低下すると、血小板の働きが弱くなるため、凝固機能も低下します。
血小板の凝固機能が障害されると血栓の形成不全をきたし、凝固障害が出現するため出血しやすくなります。
体温の低下を助長するもの
麻酔による血管拡張作用以外に
・手術室が寒いこと
・輸液が冷たい
・体動が抑制されること
などがあります
2.出現しやすい時期
出血時期
術後出血は術直後~48時間以内に発生します。
術後出血は麻酔からの覚醒や血圧が上昇することで、収縮していた血管が拡張するために出現します。
止血時期
血圧の上昇とともに出血量も増していきますが、通常は術後3~4日でほとんど止血します。
3.原因
術後出血の原因はさまざまです。
例えば、術前の低栄養と低酸素状態による組織のもろさ、血管結紮糸(血管を結んだ糸)の脱落、毛細血管からの出血、ドレーン・チューブ類の物理的刺激による出血、血液凝固障害(抗凝固剤内服による)などがあります。
また、ストレス(手術に対する過緊張)を原因とする上部消化管出血もあります。
4.症状
手術によりある程度の出血が生じるのは異常なことではありません。術後もしばらく出血が予想されるときは、排液用のドレーンを挿入することもあります。
ただし、出血量にも限度があります。どの部位からでも血性の排液が 100ml/h 以上になり、貧血が進行すると危険です。もし発見したら、すぐに医師へ報告しましょう。
5.出血性ショック
1時間に100ml 以上の出血が続くと、出血性ショックが起こることがあります。
身体症状
出血性ショックでは重要臓器(脳・心臓)へ血液が優先的に配分されるため、皮膚や粘膜は蒼白となり冷たく冷や汗をかきます。
精神症状
意識レベルも重要で、不安・不穏状態から無欲・無関心状態となり、さらにショックが進行すると意識障害をひき起こします。
生気のなさはショックの重症度の指標なので注意深く観察しましょう。
6.術後出血への対応
出血が著しいときは、輸血や止血のための再手術(血管結紮など)が必要になる場合があります。
ストレスによる消化管出血の場合は、H2ブロッカー(タガメットⓇ、ザンタックⓇ、ガスターⓇなど)の投与や緊急内視鏡による止血などを行うこともあります。
7.術後合併症まとめ
それぞれの術後合併症について詳しくまとめましたのでご活用ください。 術後合併症の種類と出現時期
8.オススメ書籍「術前・術後ケアの基本」
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ユウのアドバイス
手術のあと出血するのは異常なことではありませんよ。ただ、その量が多かったり、1日経っても鮮血であったりしたら「これはおかしい!!」と判断できるようにしっかり覚えておきましょうね(*^ω^*)
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