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離床時の起立性低血圧の判断と看護の実践ポイント

フィジカルアセスメント
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離床時の起立性低血圧を判断する基準と看護のポイント|看護師・看護学生向け

こんにちは、ユウです。

みなさんは、患者さんを離床させたときに「めまいがする」「立っていられない」と言われ、どう対応するか迷ったことはありませんか?

「血圧がどれくらい下がったら起立性低血圧なの?」
「めまいがあれば、すぐにベッドへ戻すべき?」
「症状がなければ、血圧が下がっていても離床を続けてよい?」

このように、離床時の血圧変化や症状の判断で迷うことがあると思います。

今回は、離床時にみられる起立性低血圧の基準と、看護師・看護学生が確認したい観察項目、症状が出たときの対応について解説します。

  1. 結論:血圧の低下と症状をセットで評価し、症状があれば離床を中止する
  2. 想定読了時間
  3. この記事でわかること
  4. 根拠:起立後3分以内の血圧低下で判断する
    1. 起立性低血圧の代表的な基準
    2. 収縮期血圧90mmHg未満を目安にする資料もある
  5. 詳しい解説:なぜ離床時に血圧が下がるのか
  6. 症状がなくても、血圧変化を確認する
  7. 実践ポイント:離床時の基本的な進め方
    1. 1.離床前に状態を確認する
    2. 2.いきなり立位にしない
    3. 3.立位後3分以内の変化を確認する
  8. 症状が出たときの対応
  9. 起立性低血圧と血管迷走神経反応を考える視点
  10. 看護師・看護学生が記録・報告したい内容
    1. 記録の例
  11. 離床時に起こりやすい判断ミス
    1. 「めまいがないから立たせてよい」と考える
    2. 「血圧が下がったから、必ず起立性低血圧」と考える
    3. 立位を続けて様子を見る
    4. 立位直後だけ確認して終わる
  12. 看護で使える離床時チェックリスト
    1. 離床前
    2. 離床中
    3. 離床後・症状出現後
  13. 筆者の体験:離床時は「症状の言葉」を具体的に確認する
  14. FAQ
    1. Q1.血圧がどれくらい下がったら起立性低血圧ですか?
    2. Q2.血圧が基準ほど下がっていなくても、めまいがあれば離床を続けてよいですか?
    3. Q3.症状がなければ、血圧が下がっていても大丈夫ですか?
    4. Q4.離床はどのような順番で進めますか?
    5. Q5.症状が改善したら、すぐに再び立たせてもよいですか?
    6. Q6.失神や胸痛がある場合はどうしますか?
  15. まとめ
  16. 参考資料

結論:血圧の低下と症状をセットで評価し、症状があれば離床を中止する

結論からいうと、起立性低血圧は、臥位または座位から立位へ移ったあと3分以内の血圧低下を確認します。

代表的な基準は、次のとおりです。

  • 収縮期血圧が20mmHg以上低下する
  • 拡張期血圧が10mmHg以上低下する

ただし、離床時の安全を考えると、数値だけで判断してはいけません。

めまい、ふらつき、冷汗、顔面蒼白、気分不良、失神前の症状などが出た場合は、血圧を確認しながらただちに離床を中止し、安全な座位または臥位へ戻します

看護では、次のように考えると整理しやすくなります。

  1. 離床前の血圧・脈拍・体調を確認する
  2. いきなり立位にせず、座位、端座位、立位の順に進める
  3. 立位後3分以内の血圧変化を確認する
  4. めまいやふらつきなどの症状を本人に尋ねる
  5. 症状が出たら離床を中止し、安全を確保する
  6. 血圧・脈拍・症状・姿勢変換の経過を記録し、報告する

つまり、「血圧が下がったか」だけでなく、「いつ、どの姿勢で、どのような症状が出たか」まで確認することが大切です。

想定読了時間

約8分

この記事でわかること

この記事では、次の内容を解説します。

  • 起立性低血圧の基本的な判断基準
  • 離床時に確認したい血圧・脈拍・症状
  • 症状が出たときの安全な対応
  • 起立性低血圧と血管迷走神経反応を考えるときの視点
  • 看護師・看護学生が離床前後に確認したいポイント

根拠:起立後3分以内の血圧低下で判断する

起立性低血圧の代表的な基準

起立性低血圧は、横になっている状態や座っている状態から立ち上がったときに、血圧が低下する状態です。

代表的な診断基準は、立位後3分以内に次のいずれかが起こることです。

  • 収縮期血圧が20mmHg以上低下
  • 拡張期血圧が10mmHg以上低下

この基準は、MSDマニュアル プロフェッショナル版「起立性低血圧」や起立性低血圧に関する資料で示されています。

たとえば、離床前の血圧が130/70mmHgだったとします。

立位後に110/60mmHgとなった場合は、

  • 収縮期血圧:130→110mmHgで20mmHg低下
  • 拡張期血圧:70→60mmHgで10mmHg低下

となるため、基準に該当します。

一方、血圧が基準ほど低下していなくても、患者さんに強いめまいやふらつきがあれば、安全のために離床を中止する必要があります。

収縮期血圧90mmHg未満を目安にする資料もある

資料によっては、立位後の収縮期血圧が90mmHg未満となることを、起立性低血圧を考える目安として挙げています。

ただし、起立性低血圧を考えるときの代表的な基準は、あくまで次の血圧低下です。

  • 収縮期血圧20mmHg以上の低下
  • 拡張期血圧10mmHg以上の低下

したがって、血圧の絶対値だけを見るのではなく、離床前からどれくらい変化したかを確認することが重要です。

詳しい解説:なぜ離床時に血圧が下がるのか

立ち上がると、重力によって血液が下半身に移動します。

すると、一時的に心臓へ戻る血液が減少します。心臓へ戻る血液が減ると、心臓から送り出される血液も減り、血圧が下がることがあります。

通常は、脈拍を調整したり、血管を収縮させたりすることで血圧を保ちます。

しかし、こうした調整が十分に働かないと、立位で血圧が下がりやすくなります。

ざっくり言うと、起立性低血圧は、

立ち上がったときに、体が血圧を保ちきれず、脳への血流が一時的に不足しやすくなる状態

です。

その結果、次のような症状が出ることがあります。

  • めまい
  • 立ちくらみ
  • ふらつき
  • 視力障害、目の前が暗くなる
  • 全身倦怠感
  • 吐き気
  • 動悸
  • 冷汗
  • 顔面蒼白
  • 失神前の気分不良
  • 失神

患者さんが「なんとなく気持ち悪い」「力が入らない」と訴えることもあります。

そのため、「めまいはありますか?」だけでなく、「気分が悪くないですか?」「目の前が暗くなっていませんか?」など、具体的に確認すると症状を捉えやすくなります。

症状がなくても、血圧変化を確認する

起立性低血圧では、血圧が低下していても自覚症状がはっきりしない場合があります。

反対に、症状を訴えていても、測定した血圧が大きく低下していないこともあります。

術後の起立性低血圧予防を中心とした早期離床プログラムに関する研究情報では、客観的な血圧変動と自覚症状が一致しない例があるため、症状だけでなく血圧などの客観的な指標を確認する必要性が示されています。

つまり、

「めまいがないから大丈夫」
「血圧がそれほど下がっていないから問題ない」

と、どちらか一方だけで判断しないことが大切です。

血圧、脈拍、症状、姿勢変換のタイミングをセットで確認します。

実践ポイント:離床時の基本的な進め方

1.離床前に状態を確認する

まず、離床前の状態を確認します。

  • 安静時の血圧
  • 安静時の脈拍
  • 意識状態
  • めまいや気分不良の有無
  • これまでの離床時の症状
  • 脱水の可能性
  • 貧血の有無
  • 術後早期かどうか
  • 長期臥床の有無
  • 使用中の薬剤

起立性低血圧のリスクを考えるときは、これらの情報を一つずつ確認します。

特に、術後早期や長期間ベッド上で過ごしていた患者さんでは、初回離床時の変化に注意が必要です。

2.いきなり立位にしない

離床するときは、いきなり立たせるのではなく、段階を踏みます。

基本的には、

  1. ベッド上で体を起こす
  2. 座位をとる
  3. ベッド端で端座位を保つ
  4. 体調を確認して立位へ移る

という流れです。

座位や端座位の段階で、めまい、ふらつき、冷汗、顔面蒼白などがないかを確認します。

症状が出ている場合は、そのまま立位へ進めません。

3.立位後3分以内の変化を確認する

立位になったら、立位直後だけでなく、時間経過も意識して観察します。

資料によっては、立位直後、1分後、3分後などに血圧を確認する方法が示されています。

重要なのは、単に「立ったときの血圧」を測ることではありません。

  • 離床前は何mmHgだったか
  • 座位でどう変化したか
  • 立位直後にどうなったか
  • 1分後、3分後にどうなったか
  • そのとき症状があったか

という経過を記録します。

症状が出たときの対応

離床中にめまいやふらつきが出た場合は、無理に立位を続けません。

まずは転倒しないように支え、患者さんを安全な座位または臥位へ戻します。

そのうえで、次の項目を確認します。

  • 血圧
  • 脈拍
  • 意識状態
  • めまい・ふらつきの程度
  • 冷汗や顔面蒼白の有無
  • 吐き気や動悸の有無
  • 症状がいつから出たか
  • 安静にして症状が改善するか

起立性低血圧に関する離床資料では、症状が出現した場合は離床を中止し、安静臥位などで安全を確保する考え方が示されています。

症状が落ち着いたとしても、そのまま再び立位にするのではなく、血圧や全身状態の推移を確認します。

また、失神、強い胸痛、呼吸困難、意識障害などがある場合は、起立性低血圧だけとは限りません。速やかに周囲へ応援を依頼し、医師や担当者へ報告します。

起立性低血圧と血管迷走神経反応を考える視点

離床時のめまいや気分不良が、すべて起立性低血圧によるとは限りません。

血圧低下の有無、脈拍の変化、症状が出たタイミング、症状が続く時間などを確認し、別の要因も考えます。

起立性低血圧に関する看護・リハビリテーション資料では、めまいが3分以内に落ち着く場合は起立性低血圧、3分以上持続する場合は血管迷走神経反応の可能性が示されています。

ただし、これは症状だけで確定できるという意味ではありません。

実際には、

  • 血圧が低下しているか
  • 脈拍はどのように変化しているか
  • 立位後どのくらいで症状が出たか
  • 安静で改善するか
  • 意識状態に変化がないか

などを合わせて評価します。

看護師が病名を確定するのではなく、観察した事実を整理して報告することが大切です。

看護師・看護学生が記録・報告したい内容

離床時に症状が出た場合は、「めまいあり」だけでは情報が不足します。

次のように、経過が分かる形で記録・報告します。

記録の例

  • 離床前の血圧・脈拍
  • 座位になった時刻と血圧・脈拍
  • 立位になった時刻
  • 立位直後、1分後、3分後の血圧・脈拍
  • 症状の内容
  • 症状が出た時刻
  • 症状が出た姿勢
  • 離床を中止したか
  • 座位・臥位へ戻したあとの状態
  • 症状が改善したか
  • 医師やリハビリテーションスタッフへ報告した内容

たとえば、

10時、離床前の血圧128/72mmHg、脈拍78回/分。端座位で「少しふらつく」と訴えた。立位は中止し、臥位へ戻した。臥位後5分で症状は改善し、血圧132/76mmHg、脈拍76回/分となった。

このように記録すると、次回の離床方法を検討するときにも役立ちます。

離床時に起こりやすい判断ミス

「めまいがないから立たせてよい」と考える

症状がなくても血圧が低下していることがあります。

自覚症状だけでなく、血圧や脈拍を確認します。

「血圧が下がったから、必ず起立性低血圧」と考える

血圧低下があっても、脱水、出血、薬剤の影響、血管迷走神経反応など、別の要因が関係している可能性があります。

血圧だけで判断せず、症状や経過を確認します。

立位を続けて様子を見る

めまいやふらつきがあるのに、「少し待てば慣れるかもしれない」と立位を続けるのは危険です。

症状が出た時点で、まず離床を中止して安全を確保します。

立位直後だけ確認して終わる

起立性低血圧は、立位後3分以内の血圧低下で評価します。

立位直後だけでなく、時間経過を意識して再評価します。

看護で使える離床時チェックリスト

離床前

  • 安静時の血圧を確認した
  • 安静時の脈拍を確認した
  • めまい・気分不良がないか確認した
  • 脱水、貧血、術後早期、長期臥床などを確認した
  • 使用中の薬剤を確認した
  • いきなり立位にしない計画を立てた

離床中

  • 座位・端座位で症状を確認した
  • 立位直後の状態を確認した
  • 立位後1分、3分などの経過を確認した
  • 血圧・脈拍を測定した
  • めまい、ふらつき、冷汗、顔面蒼白を観察した
  • 症状があれば離床を中止した

離床後・症状出現後

  • 安全な座位または臥位へ戻した
  • 血圧・脈拍・意識状態を再確認した
  • 症状が改善したか確認した
  • 離床の経過を記録した
  • 必要時に医師・リハビリテーションスタッフへ報告した

筆者の体験:離床時は「症状の言葉」を具体的に確認する

筆者が看護学生として実習していた頃、術後初回離床の患者さんが端座位になった際に、「少し気持ち悪い」と訴えた場面がありました。

そのときは、めまいの有無だけを確認して終わりそうになりましたが、指導者から「目の前が暗くなっていないか、冷汗はないか、力が入るかも聞いてみよう」と助言を受けました。

患者さんに具体的に尋ねると、「目の前が少し暗い」「手に汗をかいている」と話されました。そこで立位には進まず、血圧と脈拍を確認しながら臥位へ戻しました。

この経験から、離床時は「大丈夫ですか?」と聞くだけでなく、患者さんが答えやすい具体的な質問をすることが大切だと学びました。

なお、ここで紹介した場面は、看護の学習を目的とした架空の体験談です。実際の対応では、施設の手順や担当者の指示に従ってください。

FAQ

Q1.血圧がどれくらい下がったら起立性低血圧ですか?

代表的な基準は、立位後3分以内に収縮期血圧が20mmHg以上、または拡張期血圧が10mmHg以上低下することです。ただし、数値だけでなく、めまい、ふらつき、冷汗などの症状もセットで評価します。

Q2.血圧が基準ほど下がっていなくても、めまいがあれば離床を続けてよいですか?

続けてはいけません。強いめまいやふらつきなどが出た場合は、転倒しないように支え、ただちに離床を中止して安全な座位または臥位へ戻します。

Q3.症状がなければ、血圧が下がっていても大丈夫ですか?

症状がなくても血圧が低下していることがあります。「めまいがないから大丈夫」とは判断せず、血圧、脈拍、意識状態、姿勢変換の経過を確認します。

Q4.離床はどのような順番で進めますか?

基本的には、ベッド上で体を起こし、座位、端座位、立位の順に段階的に進めます。それぞれの段階で、めまい、ふらつき、冷汗、顔面蒼白などの症状を確認します。

Q5.症状が改善したら、すぐに再び立たせてもよいですか?

すぐに再び立位へ進めるのではなく、血圧や脈拍、意識状態、全身状態の推移を確認します。必要に応じて医師やリハビリテーションスタッフへ報告し、施設の手順や指示に従います。

Q6.失神や胸痛がある場合はどうしますか?

失神、強い胸痛、呼吸困難、意識障害などがある場合は、起立性低血圧以外の病態も考えます。速やかに周囲へ応援を依頼し、医師や担当者へ報告します。

まとめ

今回の記事のポイントをまとめると、次のとおりです。

  • 起立性低血圧は、立位後3分以内の血圧低下で評価する
  • 代表的な基準は、収縮期血圧20mmHg以上、または拡張期血圧10mmHg以上の低下
  • 起立後の収縮期血圧90mmHg未満を目安とする資料もある
  • めまい、ふらつき、冷汗、顔面蒼白などの症状が出たら、離床を中止する
  • 症状だけでなく、血圧・脈拍・姿勢変換のタイミングを確認する
  • 離床は、座位・端座位・立位の順に段階的に進める
  • 症状が強い場合や失神、胸痛、呼吸困難などがある場合は、起立性低血圧以外の病態も考えて速やかに報告する

起立性低血圧を考えるときは、

「血圧はどれくらい変化したか」
「症状はいつ出たか」
「どの姿勢で出たか」
「安静にすると改善するか」

をセットで確認することが大切です。

離床では、患者さんを起こすことだけが目的ではありません。安全に姿勢を変えられるかを評価しながら、無理のない範囲で進めていきましょう。

参考資料

面倒な実習記録はAIに手伝ってもらおう!

ChatGPTを使って実習記録をAIにお手伝いしてもらうにはどうしたら良いか見ていきましょう。

まずはこちらの動画をご覧ください。Tiktokでいくつか投稿している動画の一つを紹介しますね。

@aichannsst 実習目標を 今流行りのchatGPTを 搭載したLINEアプリを使って 考えてもらったら…?? #看護学生 #看護学生の日常 #限界大学生 ♬ オリジナル楽曲 - あいちゃん

@aichannsst ChatGPTを使ったLINEアプリ 「AI看護学生 あいちゃん」 ユーザーさんの感想をご紹介します。 みんなもよければ使ってみてね! #看護学生 #限界看護学生 #看護学生あるある #看護学生の日常 ♬ オリジナル楽曲 - あいちゃん

 

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