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呼吸数を測定する意味とは?

フィジカルアセスメント
この記事は約3分で読めます。

今日は、こんな質問をいただきました。

「呼吸数を観察する意味ってなんですか?」

そういわれると、呼吸数なんて観察して意味あるの?とおもますよね。

今回は呼吸数の観察に対する疑問についてお答えします。


呼吸数を観察する目的

1.呼吸とは

呼吸とは、ザックリ言うと息を吸ったり吐いたりすることです。

呼吸により、空気中の酸素を取り入れ、身体の中の二酸化炭素を排出します。

酸素は人間の生命活動を維持するために必ず必要なものなので、呼吸も生きるためには必ず行わなければならない活動と言えます。

呼吸について、詳しくは以前の記事

呼吸数の基準値と測定方法 で詳しく説明していますので

こちらも併せて読んでいただけるとより理解しやすいと思います。

2.呼吸数を観察する意味

呼吸数を観察する意味は、

酸素化ができているか判断する指標の一つになるからです。

しかし、

呼吸数はそれだけを観察しても意味がありません。
他の情報と組み合わせることで真価を発揮します!

 

つまり、どういうことかというと

呼吸数だけでは身体の状態が良いのか悪いのか判断がしにくいですが、

他の情報を組み合わせることでより深いアセスメントができるようになります。

事例で呼吸数を用いたアセスメントをみていきましょう。

3.事例

患者Aさん 80歳 男性 呼吸器系の疾患

心電図モニターは、呼吸数が30回/分、酸素飽和度88% を示している。

酸素飽和度は96%以上が望ましいですが、現在は88%であり、酸素化がうまくいっておらず、代償機能として呼吸数が増加しているとアセスメントできます。

逆に、深い呼吸で回数が少ない場合はリラックスしているか、アスリートのように強い心肺機能を持っているのかという判断もできます。

呼吸は回数だけではなくて、リズムを観察することも重要です。
チェーンストークス呼吸ビオ―呼吸クスマウル呼吸などは必須なので、正常な呼吸との違いをしっかりと覚えておきましょうね!

<参考掲載>

異常呼吸

4.呼吸音を聞いて分かること

聴診器を肺に当てて、呼吸をしてもらうことで呼吸する音が聞こえます。

呼吸の音を聞くと、何が分かるのでしょうか?

ここでは、複雑で難しいことは置いておいて、臨床ですぐに役立つことをお教えします。

 

臨床の場で多いのは、

呼吸音を聞くことで痰が溜まっていないかを判断することができます。

私たちのように、健康な身体では実感がわかないかもしれませんが、

痰が貯まっていると、呼吸をするたびに明らかにゼーゼーブツブツと言う音がします。

 

また、呼吸器を使っている患者さんの場合、両肺に空気が送り込まれているか、聴診器を使って音で判断します。

両方の肺に空気が送り込まれていると、両方の肺から肺が膨らむ音がします。

さらに、気胸などで片方の肺がしぼんでいたり、肺が正常に機能していない場合は呼吸音に明らかな左右差が見られますからね。

<参考掲載>

気胸

ユウのアドバイス

呼吸を行う横隔膜は随意筋なので、呼吸数は自由に変えられるし、意味あるのかなという疑問を感じていた方も多いはず。今回の記事で少しは呼吸数を観察する意味と言うのはお分かりいただけたでしょうか。たかが呼吸ですが、されど呼吸です。甘く見てはいけませんよ。(`・ω・´)

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