脈拍のリズムを確認する理由|看護で見逃したくない不整脈のサイン
こんにちは、ユウです。
みなさんは、脈拍を測るときに「回数」だけでなく「リズム」も確認していますか?
脈拍数が基準の範囲に入っていると、ひとまず問題なさそうに感じるかもしれません。でも、数だけでは気づきにくい不整脈もあります。
今回は、脈拍のリズムを確認する理由と、看護での観察・報告のポイントを解説します。
結論:脈拍は「回数」と「リズム」の両方を確認する
脈拍を測るときは、何回あるかだけでなく、脈が規則的に打っているかも確認します。
不整脈には、脈のリズムが不規則になる場合だけでなく、速すぎる場合や遅すぎる場合もあります。そのため、脈拍数が一見正常でも、リズムが乱れていれば異常の手がかりになります。
脈が飛ぶように感じる、不規則に触れる、速い・遅いといった変化があれば、患者さんの症状や状態も合わせて確認し、必要に応じて記録・報告しましょう。
この記事でわかること
- 脈拍のリズムを確認する理由
- 不整脈と脈拍数の関係
- 脈拍を測るときに意識したい観察ポイント
- リズムの乱れに気づいたときの記録・報告の考え方
読了時間の目安:約6分
結論の根拠:不整脈は「速さ」だけでは捉えられない
心臓は電気刺激によって拍動しています。この電気刺激の発生や伝わり方に異常があると、拍動のリズムが乱れたり、極端に速くなったり遅くなったりすることがあります。
日本循環器学会の不整脈に関する解説では、不整脈を、拍動のリズムが不規則な状態や、拍動の頻度が極端に高い・少ない状態として説明しています。また、日本心臓財団の解説では、不整脈は脈拍の異常そのものではなく、心臓の電気的興奮の異常であるとされています。
つまり、脈拍を測るときに回数だけを数えていると、リズムの乱れを見落とす可能性があります。脈に触れたとき、間隔が一定かどうかも確認することが大切です。
脈拍数の目安については、日本医科大学付属病院の解説では安静時の心拍数を50~100回/分としています。一方、国立循環器病研究センターの解説では、脈が1分間に50回以下を徐脈、100回以上を頻脈の目安として示しています。
これらは目安であり、数値だけで不整脈の有無や緊急性が決まるわけではありません。回数とリズムの両方を確認し、患者さんの状態と合わせて考える必要があります。
脈拍のリズムとは?
脈拍のリズムとは、脈が打つ間隔の規則性のことです。
一定の間隔で打っているか、間隔がばらばらか、途中で脈が飛ぶように感じるかを確認します。たとえば、脈拍数が1分間におよそ同じでも、触れている間に間隔が不規則なら、リズムの乱れがある可能性があります。
ただし、手首で触れた脈だけで不整脈の種類や原因を特定することはできません。脈拍の観察は異常に気づく手がかりであり、必要に応じて心電図などで確認します。
脈拍を測るときに確認したい3つのこと
脈拍を測るときは、次の3点を意識すると観察結果を整理しやすくなります。
1.回数
1分間に何回触れるかを確認します。数値を記録するときは、測定した時点の患者さんの状態も合わせて残すと、変化を比較しやすくなります。
2.リズム
脈が等間隔か、不規則か、途中で飛ぶように感じるかをみます。回数が目安の範囲内でも、リズムに乱れがないかを確認しましょう。
3.強さ
脈が強く触れるか、弱く触れるかも観察します。日本心臓財団の解説や日本循環器学会の解説でも、脈拍の異常は不整脈を知る手がかりとして扱われています。
なお、脈の強さやリズムの触れ方だけで、原因を決めつけないことも大切です。
リズムの乱れに気づいたらどうする?
脈が不規則に触れる、飛ぶように感じる、速すぎる・遅すぎるなどの変化があれば、まず測定結果を記録し、患者さんの状態や症状、既往、薬剤の影響なども確認します。国立循環器病研究センターや日本医科大学付属病院の解説でも、不整脈を考える際には脈の状態だけでなく、患者さんの状況を合わせてみることが大切です。
患者さんに動悸などの自覚症状がある場合や、いつもと違う様子がある場合は、観察した内容を指導者や医療チームに伝えましょう。報告するときは、「脈が不規則でした」だけでなく、測定した回数、リズム、患者さんの訴えや観察した状態も一緒に伝えると、状況を共有しやすくなります。
看護学生の場合は、異常に気づいたら一人で判断せず、指導者に相談して再確認する流れを身につけておきましょう。
実践ポイント
- 脈拍は回数だけでなく、規則性と強さも確認する。
- 脈が飛ぶように感じる、不規則、速い・遅いなどの変化は、観察結果として記録する。
- 患者さんの状態や症状、既往、薬剤の影響なども合わせて確認する。
- 脈の触れ方だけで原因を決めつけず、必要に応じて指導者や医療チームに相談・報告する。
- 報告では、測定した回数、リズム、患者さんの訴えや観察した状態を伝える。
筆者の体験談
脈拍測定の場面を考えてみましょう。回数を数えたところ、数字は普段と大きく変わらないように感じました。しかし、触れている間に脈の間隔が一定でないことに気づきます。
このとき、「回数が大きく外れていないから大丈夫」と判断するのではなく、リズムの乱れも観察結果として記録します。患者さんに気になる症状がないかを確認し、必要に応じて指導者や医療チームに相談します。
脈拍を数える作業に集中していると、数字を記録した時点で安心してしまうことがあります。けれど、脈に触れたときの違和感も、観察で得られた大切な情報です。私自身、脈拍測定では「数字だけで判断していないか」と立ち止まることを意識しています。
この場面は観察のポイントをイメージするためのものであり、医学的な根拠や診断を示すものではありません。
まとめ
脈拍を測るときは、回数だけでなく、リズムの規則性と脈の強さも確認します。
不整脈は、脈が不規則になるだけでなく、速すぎる・遅すぎる場合も含みます。そのため、脈拍数が目安の範囲内でも、リズムに乱れがあれば異常の手がかりになります。
脈の飛びや不規則さに気づいたときは、患者さんの状態や症状と合わせて記録し、必要に応じて相談・報告しましょう。
FAQ
脈拍数が正常なら、不整脈ではないと考えてよいですか?
いいえ。脈拍数が目安の範囲内でも、リズムが乱れていることがあります。回数と規則性の両方を確認してください。
脈が不規則なら、すぐに不整脈と判断できますか?
脈の触れ方だけで、不整脈の種類や原因を確定することはできません。脈の乱れは気づくための手がかりとして記録し、患者さんの症状や状態と合わせて報告・相談しましょう。
参考文献
- 国立循環器病研究センター「不整脈|病気について|循環器病について知る」
- 日本循環器学会「一般のみなさまへ各疾患のご案内|不整脈」
- 日本心臓財団「不整脈|疾患別解説」
- 日本医科大学付属病院「不整脈の解説」
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