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看護師・学生のための尿道カテーテル閉塞の観察と初期対応

看護技術
この記事は約10分で読めます。

尿道カテーテルの閉塞を疑うサインとは?尿が出ないときの観察と初期対応

こんにちは、ユウです。

みなさんは、尿道留置カテーテルを挿入している患者さんで、「尿が出ていないけれど、どの時点で閉塞を疑えばよいのか」と迷ったことはありませんか?

尿バッグに尿がたまっていないと、すぐに「カテーテルが詰まった」と考えてしまいがちです。しかし、尿量の低下や無尿だけでは、閉塞の有無を判断できません。

今回は、尿道カテーテルの閉塞を疑うサインと、看護師・看護学生が最初に確認したいポイントについて解説します。

  1. 結論:尿量低下に加えて、下腹部の張りや尿漏れを確認する
  2. 想定される読了時間
  3. この記事でわかること
  4. 根拠:閉塞の疑いは「尿が出ない」だけでは判断できない
  5. 詳しい解説:閉塞を疑う主なサイン
    1. 1.尿の流出が低下している、または止まっている
    2. 2.下腹部が張っている
    3. 3.カテーテルの周囲から尿が漏れている
    4. 4.尿の性状が変化している
  6. 最初に確認するのは、機械的なトラブル
    1. チューブの屈曲・ねじれ・圧迫
    2. 尿バッグの位置
    3. カテーテルの固定
  7. 閉塞を疑ったときの確認の流れ
    1. 1.患者さんの状態を確認する
    2. 2.尿バッグとチューブを確認する
    3. 3.尿の性状と周囲漏れを確認する
    4. 4.改善しなければ報告する
  8. 自己判断で無理に注入・操作しない
  9. 実践ポイント:看護師・看護学生が実践するときのポイント
    1. 尿量は「その時点の数字」より推移を見る
    2. 尿バッグだけで判断しない
    3. 「漏れているから大丈夫」と考えない
    4. 異常があれば、観察事実を記録する
  10. 筆者の体験談
  11. まとめ
  12. よくある質問(FAQ)
    1. 尿バッグに尿がたまっていなければ、すぐに閉塞と判断してよいですか?
    2. 尿道カテーテルの閉塞を疑うサインは何ですか?
    3. カテーテルの周囲から尿が漏れていれば、尿は出ていると考えてよいですか?
    4. 尿が流れないとき、最初に何を確認しますか?
    5. 尿道カテーテルが詰まったと思ったら、洗浄や注入をしてもよいですか?
    6. どのような場合に速やかに報告しますか?
  13. 参考資料
  14. 実習記録、AIにちょっと手伝ってもらおう!
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結論:尿量低下に加えて、下腹部の張りや尿漏れを確認する

結論からいうと、尿道カテーテルの閉塞は、尿が流れないことだけで判断しません

次のような所見が組み合わさっていないかを確認します。

  • 尿の流出が少ない、または止まっている
  • 下腹部が張っている
  • 膀胱部に硬さや不快感がある
  • 尿意のような訴えがある
  • カテーテルの周囲から尿が漏れている
  • 尿が混濁している、血尿や血塊がある
  • 浮遊物、結晶、沈殿物などがみられる

まずは、チューブの屈曲・ねじれ・圧迫、尿バッグの位置、固定状態を確認します。

それでも流出が改善しない場合や、下腹部の膨満、強い痛み、発熱、血尿などがある場合は、閉塞や尿閉、感染などを疑い、施設の手順に沿って速やかに報告します。

想定される読了時間

読了時間の目安:約10分

この記事でわかること

この記事では、次の内容を解説します。

  • 尿道カテーテルの閉塞を疑う主なサイン
  • 尿量低下や無尿だけで判断してはいけない理由
  • 最初に確認したい機械的なトラブル
  • 尿漏れや尿性状の変化から考えること
  • 看護師・看護学生が観察・報告するときのポイント

根拠:閉塞の疑いは「尿が出ない」だけでは判断できない

尿道カテーテルを留置している患者さんで尿バッグに尿がたまっていないと、まず閉塞を考えるかもしれません。

しかし、尿が流れない理由は一つではありません。

たとえば、次のような可能性があります。

  • チューブが折れ曲がっている
  • 体の下敷きになっている
  • ねじれている
  • 尿バッグの位置が適切でない
  • カテーテルが引っ張られている
  • 尿中の血塊や浮遊物、結晶などが関係している
  • 膀胱内に尿がたまっている
  • 尿量そのものが少ない

そのため、尿量だけを見て「閉塞している」「閉塞していない」と決めることはできません。

日本泌尿器科学会関連の資料では、留置カテーテルの管理において、尿量、尿性状、カテーテル周囲からの尿漏れの有無を日々確認することが重要とされています。

ざっくり言うと、見るべきなのは尿バッグだけではありません。

患者さんの下腹部、カテーテル周囲、チューブ全体、尿の性状をまとめて観察することが大切です。

詳しい解説:閉塞を疑う主なサイン

1.尿の流出が低下している、または止まっている

最も分かりやすい変化は、尿バッグへの尿の流出低下です。

ただし、「尿が出ていない」という事実だけでは、閉塞とは限りません。以前から尿量が少ないのか、急に流出が止まったのかを確認します。

確認したいのは、次のような点です。

  • これまでの尿量と比べて急に減っていないか
  • チューブ内に尿が移動しているか
  • 尿バッグに流出があるか
  • 尿バッグの目盛りを正しく確認できているか
  • 患者さんに下腹部の張りや不快感がないか

今回確認できた資料では、「この尿量以下なら閉塞」とする統一された数値基準は示されていません。

そのため、実際の観察では、絶対量だけでなく、急激な尿量低下や流出停止と、患者さんの症状・身体所見を組み合わせて判断することになります。

2.下腹部が張っている

尿が膀胱にたまっていると、下腹部の膨満感や膀胱部の張りがみられることがあります。

患者さんからは、次のような訴えが聞かれるかもしれません。

  • 「おなかが張る」
  • 「尿がしたい感じがする」
  • 「膀胱のあたりが苦しい」
  • 「下腹部が痛い」
  • 「落ち着かない」

カテーテルが入っているからといって、尿閉が起こらないとは限りません。

尿バッグに尿がほとんど流れていないうえに、下腹部の膨満や不快感がある場合は、単なる尿量の少なさではなく、尿流出障害を疑う材料になります。

3.カテーテルの周囲から尿が漏れている

尿道カテーテルが入っているのに、外尿道口とカテーテルの間から尿が漏れることがあります。

バッグに尿が少ないのに、カテーテル周囲の寝衣やおむつが濡れている場合は注意が必要です。

この状態は、尿がカテーテルを通って流れず、別の場所から漏れている可能性を示します。

ただし、周囲からの尿漏れがあれば、必ず閉塞していると断定できるわけではありません。閉塞や尿流出障害のほか、別の原因が関係している場合もあります。

大切なのは、

「尿漏れがあるから排尿できている」と判断して終わらせないこと

です。

尿バッグへの流出量、下腹部の張り、患者さんの不快感などを合わせて確認します。

4.尿の性状が変化している

尿の性状も、閉塞を考えるときの重要な観察項目です。

次のような変化がないか確認します。

  • 混濁している
  • 血尿がある
  • 血塊が混じっている
  • 浮遊物がある
  • 結晶や沈殿物がみられる
  • いつもと異なる色になっている
  • 悪臭がある

尿中の血塊や浮遊物、結晶などがカテーテル内にたまり、流出不良に関係することがあります。

特に血尿や血塊がみられる場合は、尿の流れだけでなく、患者さんの全身状態や痛み、発熱なども合わせて観察します。

最初に確認するのは、機械的なトラブル

尿の流出が悪いとき、いきなりカテーテルの閉塞と決めつけるのではなく、まずチューブ全体を確認します。

チューブの屈曲・ねじれ・圧迫

次のような場所を確認します。

  • 患者さんの体の下にチューブが入り込んでいないか
  • ベッド柵や寝衣に挟まっていないか
  • チューブが折れ曲がっていないか
  • ねじれがないか
  • 尿バッグとの接続部が引っ張られていないか
  • 固定によってチューブが圧迫されていないか

寝返りや体位変換のあとに、チューブの位置が変わって流出が悪くなることもあります。

まずは、患者さんの負担に配慮しながら、チューブの走行を目で追って確認します。

尿バッグの位置

尿バッグが膀胱より高い位置にあると、尿が適切に流れない可能性があります。

そのため、尿バッグが膀胱より低い位置にあるかを確認します。

ただし、尿バッグを床に置いたり、チューブを無理に引っ張ったりしてはいけません。施設の手順に従い、清潔を保ちながら適切な位置に整えます。

カテーテルの固定

カテーテルが引っ張られていないか、固定状態に問題がないかも確認します。

固定が不十分だと、患者さんの動作でカテーテルが引っ張られたり、違和感や痛みにつながったりする可能性があります。

また、挿入部周囲に発赤や痛みがないかも観察します。

閉塞を疑ったときの確認の流れ

尿の流出が悪いときは、次のような順番で確認すると整理しやすくなります。

1.患者さんの状態を確認する

まず、患者さんに声をかけます。

  • 下腹部の張りはないか
  • 尿意のような感覚はないか
  • 痛みや不快感はないか
  • 寒気や発熱感はないか
  • いつから症状があるのか

患者さんの訴えは、尿バッグの観察だけでは分からない変化を教えてくれます。

2.尿バッグとチューブを確認する

次に、機械的な原因を確認します。

  • 尿バッグは膀胱より低い位置にあるか
  • チューブは折れていないか
  • ねじれや圧迫はないか
  • 接続部や固定に問題はないか
  • チューブ内に血塊や浮遊物がないか

位置の調整などで改善する場合もあります。

3.尿の性状と周囲漏れを確認する

尿バッグ内の尿だけでなく、次の点も確認します。

  • 混濁
  • 血尿
  • 血塊
  • 浮遊物
  • 沈殿物
  • カテーテル周囲からの漏れ

バッグに尿が少ないのに周囲が濡れている場合は、尿の流出障害を疑う所見になります。

4.改善しなければ報告する

チューブの位置を確認しても尿が流れない場合や、患者さんに下腹部膨満・痛みなどがある場合は、閉塞や尿閉を疑います。

発熱、強い腹痛、血尿、全身状態の悪化がある場合は、単なる流出不良ではなく、感染や急性のトラブルも考え、速やかに報告します。

自己判断で無理に注入・操作しない

尿が流れないときに、自己判断でカテーテルを強く押したり、引っ張ったり、無理に注入したりするのは避けます。

カテーテルの洗浄や交換などが必要かどうかは、患者さんの状態、カテーテルの種類、施設の手順、医師の指示などによって異なります。

そのため、閉塞が疑われる場合は、まず観察内容を整理して報告します。

報告では、次のような内容を伝えると状況を共有しやすくなります。

  • 最後に尿が流れた時刻
  • その後の尿量
  • 下腹部の張りや痛みの有無
  • 尿漏れの有無
  • 尿の色や混濁、血塊の有無
  • チューブの屈曲・ねじれ・圧迫の有無
  • 尿バッグの位置
  • 発熱や全身状態の変化

「尿が出ていません」だけでなく、観察した事実をまとめて伝えることがポイントです。

実践ポイント:看護師・看護学生が実践するときのポイント

尿量は「その時点の数字」より推移を見る

尿量を確認するときは、その時点の量だけでなく、これまでと比べてどう変化したかを確認します。

「いつも少ない」のか、「急に減った」のかでは、受け止め方が変わります。

今回の調査結果では、閉塞を判断する統一された尿量の数値基準は確認できませんでした。

そのため、尿量の推移と患者さんの状態を合わせて観察します。

尿バッグだけで判断しない

観察する場所は、尿バッグだけではありません。

  • 患者さんの表情や訴え
  • 下腹部の膨満
  • カテーテル周囲の尿漏れ
  • チューブ全体の走行
  • 尿の性状
  • 挿入部の発赤や痛み
  • 発熱や全身状態

これらをまとめて確認します。

「漏れているから大丈夫」と考えない

カテーテル周囲から尿が漏れていると、尿が出ているように見えることがあります。

しかし、バッグに尿が流れていない、下腹部が張っている、患者さんが苦痛を訴えている場合は、流出障害の可能性があります。

漏れの有無だけで、排尿が確保されているとは判断しません。

異常があれば、観察事実を記録する

記録には、単に「尿少量」「尿出ない」と書くのではなく、観察した内容を具体的に残します。

たとえば、

  • 尿バッグへの流出が少ない
  • 下腹部膨満の訴えがある
  • カテーテル周囲から尿漏れあり
  • チューブの屈曲なし
  • 尿は混濁している
  • 血塊は認めない
  • 発熱の有無

などです。

施設の記録方法に従い、必要な情報を整理します。

筆者の体験談

尿道留置カテーテルを挿入している患者さんの尿バッグに、しばらく尿がたまっていない場面がありました。最初に見たときは、「カテーテルが詰まっているのではないか」と考えましたが、尿量だけでは判断できないことを思い出しました。

患者さんに声をかけると、「少しおなかが張る感じがする」と話されました。そこで、尿バッグだけでなく、下腹部の状態、カテーテル周囲の寝衣やおむつの濡れ、チューブの走行を順番に確認しました。

チューブは体の下に入り込んでいないか、折れ曲がっていないか、ねじれていないか。尿バッグは膀胱より低い位置にあるか。固定部分が引っ張られていないか。ひとつずつ確認すると、尿バッグの位置とチューブの走行を整える必要がある状態でした。

その場面では、「尿が出ていない」という一つの情報だけを見ていると、患者さんの張りや不快感、尿漏れの有無を見落とすかもしれないと感じました。また、位置を確認しても流出が改善しない場合には、無理に操作せず、最後に尿が流れた時刻や尿の性状、患者さんの訴えをまとめて報告することが大切だと考えました。

この体験談は医学的根拠を示すものではなく、実際の看護場面をイメージするためのものです。

まとめ

今回の記事のポイントをまとめると、次のとおりです。

  • 尿道カテーテルの閉塞は、尿が流れないことだけで判断しない
  • 尿量低下に加えて、下腹部膨満、膀胱部の張り、尿意様不快感を確認する
  • カテーテル周囲からの尿漏れがあり、バッグへの尿流出が少ない場合は注意する
  • 尿の混濁、血尿、血塊、浮遊物、結晶、沈殿物も観察する
  • 最初に、チューブの屈曲・ねじれ・圧迫、尿バッグの位置、固定状態を確認する
  • 改善しない場合や発熱、強い腹痛、血尿、全身状態の悪化がある場合は速やかに報告する
  • 自己判断で無理な注入や操作を行わず、施設の手順と指示系統に従う

覚え方はシンプルです。

尿の流れだけでなく、患者さんの下腹部・尿漏れ・尿性状・チューブ全体を一緒に見る。

これが、尿道カテーテルの閉塞を疑うときの基本的な視点です。

よくある質問(FAQ)

尿バッグに尿がたまっていなければ、すぐに閉塞と判断してよいですか?

いいえ。尿量の低下や無尿だけでは、閉塞の有無を判断できません。チューブの屈曲・ねじれ・圧迫、尿バッグの位置、固定状態、患者さんの下腹部の張りや不快感、尿漏れ、尿の性状をまとめて確認します。

尿道カテーテルの閉塞を疑うサインは何ですか?

尿の流出低下や停止に加えて、下腹部の張り、膀胱部の硬さや不快感、尿意のような訴え、カテーテル周囲からの尿漏れ、混濁、血尿、血塊、浮遊物、結晶、沈殿物などを確認します。

カテーテルの周囲から尿が漏れていれば、尿は出ていると考えてよいですか?

いいえ。「尿漏れがあるから排尿できている」と判断して終わらせないことが大切です。尿バッグへの流出量、下腹部の張り、患者さんの不快感などを合わせて確認します。

尿が流れないとき、最初に何を確認しますか?

まず患者さんの状態を確認し、その後、尿バッグとチューブを確認します。チューブの屈曲・ねじれ・圧迫、尿バッグの位置、接続部、固定状態、チューブ内の血塊や浮遊物などを確認します。

尿道カテーテルが詰まったと思ったら、洗浄や注入をしてもよいですか?

自己判断でカテーテルを強く押したり、引っ張ったり、無理に注入したりするのは避けます。洗浄や交換などが必要かどうかは、患者さんの状態、カテーテルの種類、施設の手順、医師の指示などによって異なります。まず観察内容を整理して報告します。

どのような場合に速やかに報告しますか?

チューブの位置を確認しても尿が流れない場合や、患者さんに下腹部膨満・痛みなどがある場合は、閉塞や尿閉を疑います。発熱、強い腹痛、血尿、全身状態の悪化がある場合は、感染や急性のトラブルも考え、速やかに報告します。

参考資料

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