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採血前の絶食は必要?検査別の判断と看護の確認ポイント

看護技術
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採血前の絶食は必要?食事をしてはいけない検査と看護の確認ポイント

こんにちは、ユウです。

みなさんは、採血前に「絶食してください」と指示されたとき、どの検査で絶食が必要なのか疑問に思ったことはありませんか?

「採血なら全部、朝食抜きなの?」「水やお茶は飲んでいい?」「食事をしてしまったら採血できない?」など、迷う場面はありますよね。

今回は、採血前の絶食が必要になりやすい検査と、絶食が不要とされる検査、看護師・看護学生が採血前に確認したいポイントについて解説します。

結論:絶食が必要かどうかは、検査項目と検査オーダーで判断する

採血前の絶食は、検査名だけで一律に決まるものではありません。食事によって数値が変動しやすいか、空腹時の基準で評価する検査か、食後の状態を含めて評価する検査かを確認して判断します。

代表的に絶食が必要とされやすいのは、次の検査です。

  • 空腹時血糖
  • 経口ブドウ糖負荷試験(OGTT)
  • 空腹時インスリン
  • インスリン抵抗性の評価
  • 中性脂肪を厳密に評価する脂質検査

一方で、次の検査は一般に絶食不要とされています。

  • 血球検査(CBC)
  • HbA1c
  • TSHなどの甲状腺関連検査
  • CRP、赤血球沈降速度(ESR)
  • 腎機能・肝機能の多く
  • 凝固関連検査の多く

ただし、複数の検査を同時に行う場合や、医療機関独自の運用がある場合は、検査オーダーや採血案内の指示を優先します。

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この記事でわかること

  • 採血前に絶食が必要になる理由
  • 絶食が必要とされやすい検査
  • 絶食不要とされやすい検査
  • 空腹時採血での絶食時間と飲水の考え方
  • 絶食できなかった場合の対応
  • 看護師・看護学生が採血前に確認するポイント

採血前の絶食が必要な理由

食事をすると、血液中の成分が変化します。

特に影響を受けやすいのが、血糖中性脂肪です。

食事をすると、消化された糖質が吸収されるため、血糖値は変動します。調査結果に含まれる医療機関の案内では、血糖は食後およそ2時間程度で空腹時と同程度に戻ると説明されています。

一方、中性脂肪は食事の影響がより長く残ります。空腹時相当まで戻るのに、10時間以上かかると案内されることがあります。

つまり、食後すぐに採血すると、本来確認したい「空腹時の値」ではなく、食事の影響を受けた値を測定する可能性があります。

ざっくり言うと、空腹時の状態を知りたい検査では、食事による一時的な変化をできるだけ避けるために絶食するということです。

絶食が必要とされやすい検査

空腹時血糖

空腹時血糖は、食事の影響を受けていない状態の血糖値を確認する検査です。

食後は血糖値が変化するため、空腹時血糖として評価する場合は、指定された時間の絶食が必要になります。

ただし、すでに食事をしている場合でも、状況によっては「随時血糖」として測定することがあります。

大切なのは、採血を中止するかどうかを自己判断するのではなく、検査の目的を確認して医師や検査部に相談することです。

経口ブドウ糖負荷試験(OGTT)

OGTTは、ブドウ糖液を飲んだあと、血糖値がどのように変化するかを確認する検査です。

検査前の空腹状態が検査手順の一部になるため、通常の採血よりも厳密な準備が必要です。

検査当日の食事、飲水、薬の扱いなどは施設の指示に従います。OGTTを受ける患者さんには、検査前後の流れを具体的に説明しておくことが重要です。

空腹時インスリン・HOMA-IR

インスリンの分泌やインスリン抵抗性を評価する検査では、空腹時の値を確認することがあります。

この場合も、食事をすると血糖やインスリンの状態が変化するため、絶食が前提になります。

脂質検査と中性脂肪

脂質検査には、総コレステロール、HDLコレステロール、LDLコレステロール、中性脂肪などが含まれます。

このうち、特に中性脂肪を厳密に評価する場合は、空腹時採血が求められやすいとされています。

ただし、脂質検査のすべてで必ず絶食が必要という意味ではありません。どの項目を、どの目的で評価するのかによって対応が変わります。

絶食が不要とされやすい検査

血球検査(CBC)

CBCは、赤血球、白血球、血小板、ヘモグロビンなどを確認する検査です。

一般的には、食事の直後に大きく変動する検査ではないため、絶食不要とされています。

HbA1c

HbA1cは、過去1〜2か月程度の血糖状態を反映する指標です。

採血直前の食事だけで大きく変化する検査ではないため、一般的に絶食は必要ありません。

HbA1cは「いま食後かどうか」ではなく、一定期間の血糖状態を確認する検査と考えると分かりやすいです。

CRP・ESR

CRPや赤血球沈降速度(ESR)は、炎症の程度を確認するために用いられます。

調査結果に含まれる案内では、これらも一般に絶食不要とされています。

腎機能・肝機能の多く

腎機能や肝機能を確認する検査の多くも、一般には絶食不要とされています。

ただし、同じ採血で血糖や脂質検査などを一緒に測定する場合は、そちらの条件に合わせて絶食が必要になることがあります。

空腹時採血は何時間絶食するのか

空腹時採血については、医療機関によって次のような案内があります。

  • 8〜12時間
  • 10時間以上
  • 12時間以上

日本の医療機関では、夕食後12時間以上絶食した状態を空腹時とする案内が多くみられます。

ただし、これはすべての検査に共通する絶対的な基準ではありません。検査項目や施設によって運用が異なるため、患者さんには「前日の何時から食べないのか」を具体的に伝える必要があります。

たとえば、朝8時に採血する場合、前日の夕食後から絶食するよう案内されることがあります。

絶食中に水やお茶は飲んでよい?

空腹時採血では、飲み物にも注意が必要です。

調査結果に含まれる医療機関の案内では、絶食中の水分は、水や無糖のお茶程度に限定する運用が多いとされています。

一方で、次のような飲み物は食事と同じように扱われる可能性があります。

  • ジュース
  • 砂糖入りの飲み物
  • スポーツドリンク
  • 乳飲料
  • コーヒーや紅茶に砂糖・ミルクを入れたもの

無糖であっても、コーヒーなどを飲んでよいかは施設によって案内が異なる場合があります。

そのため、患者さんには「水ならよい」とだけ説明するのではなく、採血を行う医療機関の案内を確認することが安全です。

食事をしてしまったら採血はどうする?

採血前に患者さんが食事をしてしまった場合、すぐに「採血できません」と決めつける必要はありません。

まず、次の内容を確認します。

  • 何を食べたのか
  • 何時ごろ食べたのか
  • どの検査項目が含まれているのか
  • 空腹時という条件がオーダーにあるか
  • 予定どおり採血する必要があるのか

CBCやHbA1cなど、一般に絶食不要とされる検査だけであれば、採血を実施できることがあります。

一方、空腹時血糖、OGTT、空腹時インスリン、中性脂肪を重視する脂質検査などが含まれている場合は、結果の解釈に影響する可能性があります。

この場合は、採血前に依頼医や検査部へ確認することが基本です。

必要に応じて、採血時間を変更するのか、食後の検査として扱うのか、別の指標で評価するのかを検討します。絶食できなかった場合の対応は、検査の目的や患者さんの状態によって異なります。

看護師・看護学生が採血前に確認したいポイント

採血前は、次の順番で確認すると整理しやすくなります。

1.検査オーダーを確認する

まず、オーダーに次のような記載がないかを確認します。

  • 空腹時
  • 絶食
  • 朝食後不可
  • 食後何時間
  • OGTT
  • 空腹時血糖
  • 空腹時インスリン

「採血だから絶食」と考えるのではなく、オーダーに書かれた検査条件を確認することが大切です。

2.食事の時間と内容を確認する

患者さんには、次のように確認します。

「最後に食事をしたのは何時ごろですか?」

「食事以外に、ジュースやコーヒーなどは飲みましたか?」

「今朝、お薬やサプリメントは飲みましたか?」

薬の扱いについては、薬剤や検査内容によって指示が異なる可能性があるため、自己判断で中止させず、医師や施設の指示を確認します。

3.絶食が必要な項目が含まれているか確認する

検査項目を確認し、空腹時条件が必要な検査が含まれているかを考えます。

特に、血糖、インスリン、OGTT、中性脂肪を含む脂質検査では、絶食の有無が結果の解釈に関係します。

4.迷ったら検査部や依頼医へ確認する

検査条件がはっきりしない場合は、看護師だけで判断しないことが重要です。

「朝食を摂取していますが、空腹時血糖と脂質検査がオーダーされています。予定どおり採血してよいでしょうか」

このように、食事の内容や時間、検査項目を伝えて確認します。

あるある体験談

朝の採血の時間になり、患者さんへ声をかけると、「すみません、さっき牛乳を少し飲みました」と言われることがあります。

オーダーを見ると、血算やCRPに加えて、血糖と脂質検査も入っていました。

最初は「絶食できていないから、全部やり直しかもしれない」と考えそうになります。しかし、検査項目を一つずつ確認すると、食事の影響を受けやすい項目と、比較的受けにくい項目が混在しています。

そこで、最後に飲食した時間と内容を確認し、依頼医と検査部へ連絡します。

結果として、血算などは予定どおり採血し、血糖や脂質については食後の採血として扱えるかを確認する、という対応になることがあります。

このような場面では、「絶食できたか、できなかったか」だけで判断しないことが大切です。

何の検査をするのか、その検査に空腹時条件が必要なのかを確認する。

これが、採血前の判断で迷わないための基本になります。

よくある質問(FAQ)

採血はすべて朝食を抜いて受ける必要がありますか?

いいえ。採血前の絶食は、検査項目と検査の目的によって決まります。空腹時血糖、OGTT、空腹時インスリン、中性脂肪を厳密に評価する脂質検査などでは絶食が必要になりやすい一方、CBC、HbA1c、CRP、ESR、腎機能・肝機能の多くは一般に絶食不要とされています。

絶食中は水やお茶を飲んでもよいですか?

水や無糖のお茶程度に限定する運用が多いとされています。ただし、コーヒーや紅茶を飲んでよいかなど、施設によって案内が異なる場合があります。採血を行う医療機関の指示を確認してください。

採血前に牛乳やジュースを飲んだ場合、採血は中止ですか?

すぐに採血中止と決めつける必要はありません。何を、何時ごろ飲食したのか、どの検査項目が含まれているのか、空腹時条件があるのかを確認し、依頼医や検査部へ相談します。

空腹時採血は何時間絶食すればよいですか?

医療機関によって、8〜12時間、10時間以上、12時間以上などの案内があります。日本の医療機関では、夕食後12時間以上絶食した状態を空腹時とする案内が多くみられますが、検査項目や施設によって異なります。

薬やサプリメントは飲んでもよいですか?

薬剤や検査内容によって指示が異なる可能性があります。自己判断で中止させず、医師や施設の指示を確認してください。

まとめ:採血前の絶食は検査項目ごとに判断する

  • 採血前の絶食は、検査名ではなく検査項目と目的で決まる
  • 空腹時血糖、OGTT、空腹時インスリン、中性脂肪を重視する脂質検査では絶食が必要になりやすい
  • CBC、HbA1c、CRP、ESR、腎機能・肝機能の多くは一般に絶食不要とされる
  • 空腹時採血は8〜12時間、または12時間以上の絶食と案内されることがある
  • 絶食中の飲水は、水や無糖のお茶に限定する運用が多い
  • 食事をしてしまった場合は、検査項目と食事時間を確認し、依頼医や検査部へ相談する
  • 最終的には、検査を依頼した医療機関の指示と検査部の案内を優先する

「採血だから絶食」ではなく、その検査は空腹時の値を必要としているのかと考えると、判断しやすくなります。

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この記事を書いた人
ユウ塾長

看護師・看護大学教員としての経験を持ち、これまでに看護関連書籍を約10冊執筆・出版。臨床・教育・執筆で培った知識と経験をもとに、看護師・看護学生が「なぜそうするのか」を理解できるよう、根拠に基づいた看護情報をわかりやすく解説しています。

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