看護師として働くと、
終末期(ここでは、死期までおよそ数日~数週間とします)の患者様を受け持つことがあります。
終末期とは、ターミナル(直訳すると、”終点”)とも言われます。
つまり、今にも次の世界へ羽ばたこうとされている患者様と言う意味です。
その終末期には、おおよそ一定の身体の変化があります。
今日は、終末期の患者様に起こる身体の変化についてまとめました。
終末期の身体の変化
1.尿量減少
終末期には、
尿量が徐々に減少していくということがあります。
原因
腎臓の機能が低下したり、心機能の低下により血圧も低くなるため、
尿を作れなくなるのです。また、尿を作れたとしてもわずかで、
非常に色が濃い濃縮尿になることもあります。
2.浮腫
終末期には、
全身の浮腫が見られることがあります。
原因
1で尿量が減少するということを説明しました。
逆にいえば、それは本来なら体外に排出されるべき水分が身体の中に貯まってしまうということです。
その結果、身体がどんどん浮腫んできてしまうのです。
3.排便の減少
終末期には、
排便の量が減ることがあります。
原因
排便が少なくなるのは、食事摂取量が減少したり、腸の蠕動運動が弱くなったため
便を押し出せなくなったりするからです。
4.酸素飽和度の低下
酸素飽和度はパルスオキシメータを使い、指先など末梢の循環で測定することが多いです。終末期には、全身の循環状態が悪くなり、指先まで十分に血液が循環せず、冷たくなっていることがあります。そして、酸素飽和度(SpO2)が低下したり、測定困難になることがあります。
原因
酸素飽和度が低下する原因としては、換気障害(胸水、腹水、無気肺、気胸など)、気道障害(狭窄、喘息、喀痰)、循環器障害(心不全、心タンポナーデ、貧血)、炎症(肺炎、気管支炎、発熱)、心因性(不安、恐怖)などさまざまです。
酸素吸入を行っても、酸素飽和度が上昇しないことも多く、CO2ナルコーシスになっていることもあります。CO2ナルコーシスでは意識はなくなり呼吸困難感はありません。
5.心拍数の急激な増減
終末期には、心拍数が急激に増加したり減少したりすることがあります。
原因
心臓の電気的な異常???(よい文献が見つからず詳しいことは不明)
6.努力呼吸・下顎呼吸
終末期には、特徴的な呼吸が見られることがあります。
それが、努力呼吸や下顎呼吸といわれるものです。
原因
努力呼吸とは、上気道の閉塞などが起こった際に、不足した呼吸量を補うために行われる呼吸です。 横隔膜・外肋間筋など通常時に使用される呼吸筋とともに、胸鎖乳突筋・内肋間筋・腹筋などの補助呼吸筋が使われ、胸郭や肩が大きく動きます。
下顎呼吸とは、吸息時に下あごが上方に上がり、呼息とともにゆるやかに下がる呼吸です。終末期のように意識が消失すると、舌が下に落ち込み気道を塞いでしまうことがあります。
それを解除する方向に身体が反応するためこのような呼吸となります。
ユウのアドバイス
看護師たるもの患者さんの死は避けて通れない道です。
家族との最期の別れの瞬間に立ち会わせてあげられるよう、直前の変化はしっかりと覚えておきましょうね!辛いけど、それも看護師の役目ですから。(´・ω・`)
コメント
今、母が終末期です。辛いですが、しっかりと受け止めたく、症状を具体的に知りたくて検索致しました。大変、参考になりました。今の母と一致する事柄が沢山ありました。自分の中で噛み砕いて、しっかり向き合います。ありがとうございました。
コメントありがとうございます。
お母さまが終末期ということですね。心穏やかな状況ではないと思いますが、出来るだけそばにいてあげてください。
最期までご無理をなさらないようご自愛くださいませ。
初めまして。私は、今年から老人ホームで働いている介護員です。入社して半年が経ちましたが、何度か利用者さんの終末期に立ち会いました。この記事を読んで終末期の利用者さんに出来る事をしっかりやっていかなければと思いました。
コメントありがとうございます。
それは、利用者さん一人一人に違った人生があり、それぞれの最期に自分は何ができるのだろうというもどかしさもあるからだと思います。
旅立ちの時までできるだけのことをさせていただきましょう。
はじめまして、10/14母が食事が出来なくなり、施設から病院へ転送され、「老衰だから年内の見送りを覚悟してください」と。一週間後の今日、血液の循環が悪くなり右足がむくみを越して、壊死状態でした。余命も、今月いっぱいと変わりショックを受けています。でも、1日でも長くと思い、声をかけ、手足をさすり、写真を撮ってきました。大正8年生まれ97歳。1/6の98歳の誕生日は祝えないようです。
コメントありがとうございます。
お母さまの最期が近いということですね。心穏やかな状況ではないと思いますが、出来るだけそばにいてあげてください。
97歳ともなれば、大往生だと思います。今までありがとうとお伝えください。
最期までご無理をなさらないようご自愛くださいませ。
医師から3日ですねと言われ、既に4日が経過しています。今、母親は尿も出ずに、体全体がむくんでいる状態です。2日前まで血圧の上が70でした。今では血圧や酸素飽和度も測定できない状況。残された時間にできる限りの親孝行をしていきたいと思います。
コメントありがとうございます。
お返事が遅れて申し訳ありません。最期までご無理をなさらないようご自愛くださいませ。
祖父が誤嚥性肺炎で入院して 3ヶ月が経過しました。入院直後は経過も良く 食事が食べられるほど回復したこともありましたが、やはり繰り返しになるため 絶飲食となり 約2ヶ月です。1週間前から 反応が弱くなり、喋る事が難しくなりました。
現在は この記事に書かれているほとんどの症状が当てはまる状態です。まだ 微かに希にですが反応が見られることもありますが 刻々とその時が近づいているように思います。たいへん参考になりました。ありがとうございました。
コメントありがとうございます。おじいさまの最期が近いということですね。
人間は最期まで耳の機能は失われないといわれることもあります。意識がほとんどないような状況でも耳は聴こえているかもしれません。
心穏やかな状況ではないと思いますが、出来るだけそばにいて、声をかけてあげてください。
最期までご無理をなさらないようご自愛くださいませ。
母が今年4月に大腿部骨折で入院し脳梗塞も併発、9月に寝たきりになりました。12年前から透析療養中でしたが、母は常々「透析は嫌だ」と話しておりました。母の状態も悪化をたどり、母にこれ以上苦しい思いをさせたくないと兄弟で話し合った末、透析を中止し尊厳死を選びました。
医師からは透析を中止すれば1週間でしょうとのことでしたが、中止してから17日、母は上記の兆候が現れています。母が懸命に耐える姿を見ると、私達の選択は間違っていたのだろうか、母はどんな形でも生きたかったのではと、そんな考えが頭をよぎります。母が今一番苦しいのですが、その姿を見ると辛くてなりません。
でも、母の子供として尊厳死を選択した以上、最後まで側に居ようと思います。
コメントありがとうございます。
お母さまのお気持ちは察することができませんが、そのようにお母さまのことを考えてくださっていることが、きっと有難いと感じていることでしょう。
最期まで側にいてあげることが、最後の親孝行だと思います。落ち着いて見送ってあげましょうね。
今の私にとりまして頼みの情報を的確にご提供くださり、ありがとうございます。94歳の母の状況はまさしくご案内のとおりです。刻一刻、その時が近づきつつあることひしひしと感じなんとも言われぬ気持ちです。皆さんの状況に接し少しは、心が和らぎました。ありがとうございました。ありがとう
コメントありがとうございます。
終末期の患者様のご家族様から多くのコメントをいただいております。
N様をはじめ、他の方も同じような状況に際し、同じような思いを抱いていらっしゃると感じていただければ、少しは不安が和らぐことでしょう。
最期の時まで傍で一緒に過ごしていただくことこそが、最後の親孝行と思います。お身体ご自愛くださいませ。
貴重な情報ありがとうございました。77歳の父が上記に当てはまる症状があり、心苦しながら今後の時間を把握する為調べておりました。末期ガンの余命1年と言われ、3年が経過した今、いよいよ体のさまざまな所が機能しなくなってきました。
皆さんのコメントを見て、これから待ち受ける出来事を強い心で受け止めようと思いました。
コメントありがとうございます。
終末期の身体の症状には特徴があります。とくに呼吸状態について、努力呼吸や下顎呼吸がみられるようになったら、数日のうちにお亡くなりになることが多いです。
お仕事やご家庭のことなどでお忙しいとは思いますが、できるだけ最期まで一緒に居ていただけるよう願っております。
これから益々寒くなって参りますので、ご無理をせず、体調管理には気を付けてくださいね。
母が12/5に亡くなりました。
子宮頸がん末期で、緩和ケア病棟で過ごしましたが、呼吸が止まるか止まらないかの時に、ゴボッと体液が口から吹き出ました。
母は苦しそうのもしてなかったのですが、あれだけの液体が、吐くのではなく、勝手に出てきた感じなので、普通に考えると、そうとう苦しかったのかと思ってしまいます。
実際はどうなんでしょうか?
今日葬儀も終わったのですが、どうしても気になって仕方ありません。どなたか教えていただけると有難いです。
コメントありがとうございます。
お母さまのご冥福をお祈りいたします。
体液が吹き出たことについて、苦しかったかどうかはわかりません。
お亡くなりになる前に筋肉の弛緩によって、貯まっていた痰や唾液などが出ることは考えられます。
回答になっているかどうかわかりませんが、以上が私の考えです。
唯一の心の拠り所である父(82歳)が、膀胱がんの転移(骨盤付近)が発見され余命3~4か月と私に宣告されました。その後の検査で進行が思ったよりゆっくりなので、「もって年内かな?」と変更されました。それから1か月を過ぎようとしてます。尿の頻度が低下し、便も下剤や浣腸を行ってもなかなか出ません。フッと手を触れた時、冷えを感じました。右足は浮腫んだままピリッとした痛みが増しつつあり、当然歩けません。あと半年は持つはずと信じてますが、終末期は近いのでしょうか?
コメントありがとうございます。
お父様のお身体の具合が良くないということで、心配なことでしょう。
終末期が近いとは断言できませんが、主治医から余名宣告がされているのでしたら、いつ悪くなってもおかしくはないと覚悟しておいた方が良いと思います。
出来るだけ一緒に居られる時間を作ってあげられるようにしてくださいね。
92歳の母ですが10日前に浮腫が出て心不全と診断されて、治療をしていて浮腫は良くなりました。最初は食事もあまり食べなかったのですが食べさせてあげると食べるようになりました。医師からは老衰なのでいつ逝ってもおかしくないと言われていますが点滴、酸素、手にはグローブで取りたいと言っている母をみて老衰なりば施設に戻したいと悩んでいます。
コメントありがとうございます。状態はあまり良くはないとお察しいたします。
92歳というご高齢ですし、積極的な治療を望まないのでしたら、お母さまの望むように施設へ返してあげることも選択肢の一つであると思います。
施設によっても看取りができるところとそうでないところがあるため、現在の状態を説明して、急変時にどうするかをご相談ください。
できたら、最期までお母さまのご希望に沿った関わりができるといいですね。
教えて下さい医者から一週間まえ、死臭がすると言われましたが、ご飯も食べています。どういう事でしょうか?
コメントありがとうございます。
死臭ですか?医者の勘でしょうか。申し訳ありませんが,よく分かりません。
99才の母親、まさに今、老衰にむかって戦っています。あと何日だろうか?時々モニターが信号を放っている。敬老の日まで頑張ってと願うが。一か月前まで歩けておむつのお世話にはなってなかったのに。
コメントありがとうございます。
お返事が遅くなってしまい申し訳ありません。最期の時まで側にいてあげることが大切です。
8月中旬に父を亡くしました。
もっと早くに読んでおけばよかったと。
当てはまる事も多く、知っていれば見取りの瞬間慌て不安に感じる事も少しは軽減されたでしょう。
手足の爪もチアノーゼで紫になり、肩呼吸から顎呼吸へ変わり数十分もあったでしょうか、あっという間の事でした。途中、看護師さんを呼び、もう本当にこれで最期の時なのかを確認しても、脈もとれているのでまだ大丈夫と曖昧な答えでしたが、その状況を目の前にしてこれでお別れなのだと思いました。呼吸が止まり何度か父を呼ぶと少しの間だけ呼吸が戻るという事を数回繰り返した後に大切な父は逝ってしまいました。私と姉の呼び掛けに最期の力を振り絞り応えてくれた父に感謝しています。
コメントありがとうございます。
最期に立ち会えたことだけでも幸せなことだと思います。
私たち看護師も看取りのときは,いつも辛い気持ちになります。ご家族が間に合わなかったときほど切ないものはありません。
さっきまでいたのに。まだだと思っていったん帰っている間に。ということがしばしばあります。
私の記事を読んで,最期のときまで落ち着いて変化を受け入れて,側にいていただける方が少しでも増えればいいなと思います。