バイタルサインの中でも、 最も測定方法が難しいとされる呼吸数。 正確な呼吸数を測るのがいかに難しいことか。。 今回は、呼吸数を診ていると覚(さと)られないようにする とっておきの裏技をご紹介します。
呼吸
1.呼吸数を測る目的
呼吸の深さやリズム、呼吸の仕方を観察することで、患者さんの状態を把握します
2.呼吸を診るための必要物品
- ストップウォッチまたは秒針付きアナログ時計
- 聴診器
3.方法
- 血圧や体温など他のバイタルサインを確認する
- 運動直後、入浴直後などでないこと、興奮状態に無いことを確認する
- 顔貌の変化(苦悩様顔貌)、冷汗や発汗、鼻翼呼吸、口すぼめ呼吸、下顎呼吸や口呼吸がないことを確認する
- 呼吸数、呼吸の深さ、リズムを、1分間観察する(30秒測定して2倍でもOK!)
- ※患者さんに気付かれないよう、胸郭の動きも併せて観察する
- 聴診器を使用して、左右の肺音を観察する
4.観察項目
- 呼吸数、深さ、リズム
- 左右の肺音、呼吸音の異常、ラ音など副雑音の有無、
- 口唇や爪のチアノーゼ、喘鳴、咳嗽などの有無
5.アセスメント
- 正常な成人の呼吸数は、1分間に12~16回前後(呼吸1回で約4秒と考えよう!)であり、乳幼児では回数が多くなる
- 成人女性は胸郭が広がる胸式呼吸、乳児くらいまでと高齢者は腹式呼吸が多い
- 1分間に20回以上を頻呼吸、1分間に12回以下を徐呼吸と呼ぶ
- 呼吸数が正常範囲でも、深さが増大している場合は過呼吸と呼び、異常に深く遅い呼吸をクスマウル呼吸と呼ぶ
- 吸気:呼気:休止期はおよそ1:1.5:1である
- 頻呼吸の場合、発熱や運動直後であることが考えられる
- 背景にある疾患や他の検査結果(例えば動脈血ガス分析や酸素飽和度・呼吸機能検査などの結果、チアノーゼなどの所見)と合せて考える
6.注意点
- 肺音の聴診は、左:上葉と下葉、右:上葉と中葉と下葉 とまんべんなく行う
- ※下葉は前面からは聴診しにくいため、脇や背面も併せて聴診する
- 肺雑音には、肺の状況により、ピーという笛のような音・バリバリという耳元で髪をこするような音・ブツブツという小さな水泡が割れるような音など、色々な音があるので、しっかり聴診する
- 呼吸の変化は生命に直結する場合もあるので、異変を感じたらすぐにリーダーや医師へ報告し、適切な処置を行う
ユウのアドバイス
呼吸数の観察は、「気づかれないように」ってのがポイント! だから、なにかのついでに呼吸数も診るというのがテクニックの一つです。 ユウは、学生の時、「1分脈を測りまーす」と伝えながら、 実は、橈骨動脈で脈を30秒測ったら、残り30秒は呼吸数を測って 記録にはそれぞれ、2倍にして記載していました。 これ、裏ワザですからねw よかったら、参考にしてください!゚+.゚(*´∀`)b゚+.゚
コメント
わかりやすいと感じたので,失礼を承知でコメントいたします。
「じょ呼吸」の字が「除」になっているようです。
参考にする人が多そうなので,訂正をお願いいたします。
コメントありがとうございます。
誤字のご指摘について、大変感謝いたします。
早速、訂正させていただきました。
これからもよろしくお願いいたします。
[…] ~~~~~~~~呼吸状態~~~~~~~~ […]