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看護師の傾聴の仕方

一般
この記事は約4分で読めます。

最近、職場で思うこと。

それは、「傾聴」できていますか?ということ。

看護計画のT-Pで「傾聴する」とか、SOAPのPで「訴えを傾聴していく」とか書くけど、本当にできてるのかな?


傾聴

1.傾聴とは

傾聴とは、耳を傾けて熱心に聴くこと とされています。

傾聴は、聞くではなく聴くです。

どう違うのかというと、

聞く

ただ単に音や話をきくこと
例:噂を聞く、ガラスが割れる音を聞く

聴く

注意深く(身を入れて)、あるいは進んで耳を傾けること
例:音楽を聴く、講義を聴く

となっています。

傾聴は、後者なので、身を入れて話を聴くことです。

患者さんのお話をただ、「はい、はい」と聞くのではなく、「そうでしたか。大丈夫ですか?」というように、しっかりと聴くことです。

2.看護の現場での傾聴

最近思うのですが、看護学生さんは患者さんに対してしっかりとお話しができていることが多いです。

一日、一人の患者さんしか担当しませんし、それだけじっくり関わる時間があるという環境の違いかもしれませんが、その気持ちを忘れないで欲しいです。

一方、現場で働く看護師は、傾聴ってあんまりできてないなと感じます。

特に、仕事にも慣れてきた2~3年目あたりの子に多いです。

患者さんの気持ち分かっているのかな、ただ仕事を早く終わらせたいだけじゃないかなと感じます。

実際の事例を用いて説明しますね。

 

3.事例

Aさん 78歳 女性 脳梗塞の急性期治療が終わり、今はリハビリがメインです。

左上下肢の麻痺がありますが、早期の治療ができたため症状は軽度です。

やや歩行時のふらつきはありますが、杖を使って歩行はでき、トイレや洗面にも行けます。

食事は右手を使ってムセもなく自己摂取できています。水分もとろみなしで飲水できています。

認知症があり、ときどき支離滅裂な発言が聞かれます。

看護計画では、筋力低下や高齢、左上下肢麻痺、杖歩行などから転倒リスクが立案されており、医師の指示で、安静度は歩行見守りとなっています。

転倒の危険があるため、夜間は踏んだらナースコールが鳴るセンサーを設置しています。

深夜2時頃、ナースコールが鳴り訪室すると、Aさんがベッドから降りて廊下に出てこようとしていました。

 

上記のような事例において、看護師の対応はどのようにするのが良いでしょうか。

私の病棟で、よくあるのが2年目くらいの看護師が

「Aさん、まだ夜中なので寝てください。早く横になって。」

という声掛けをすることです。

確かに、深夜2時で、まだ起床するのには早い上、認知症もあります。

また、看護師もAさんに転倒されては困るので寝てもらいたいし、何事もなく夜勤を終えたいという気持ちがあることも理解できます。

しかし、これって患者さんの意思を無視していませんか?

きっと、Aさんは何か理由があって起きていますし、トイレに行きたいのかもしれません、また認知症で「家に帰りたい」という方もいらっしゃいます。

このように何かの意図があって患者さんは行動をされています。

そんな場面に遭遇することがあり、傾聴が大事なのになぁといつも私は思っています。

学生さんなら、きっとこの事例を読んで、「夜中なので寝てください。」とか「早く横になって」と言ったりするなんて信じられないことでしょう。

現場だと、意外に余裕がなく、また無事に夜勤が終わればいいなという気持ちや、疲労と身勝手な行動をする患者さんが多いと感じるストレスから、思いやりのある行動がとれない看護師も多くいます。

4.傾聴とは思いやり

患者さんのお話を聴くということは、患者さんの心を落ち着かせることにもつながります。

医療者だからといって、上から目線で対応したり、こうしなさいということは虐待にもつながるのではないでしょうか。

「もし、自分が相手の立場だったら」と考えて行動することが看護には求められると思います。

患者さんには思いやりの気持ちをもって関わることが大切です。

それは、患者さんの気持ちを傾聴するということも含まれます。

ユウのアドバイス

傾聴は看護の基本であり、相手を思いやる根源でもあると思います。みなさんは、患者さんの気持ちをしっかりと考えた行動ができる看護師になってくださいね。

コメント

  1. 最近まで交通事故にあい入院してたのですが
    看護師さんはつまらん事でも一生懸命聞いてくれました。
    でも医者は自分の考えで勝手に進む
    動けない体で人工呼吸器を入れてたせいで声もろくに出ませんでしたが
    ちゃんと聞いてくれた看護師さんにどれだけすくわれたことか

    • コメントありがとうございます。
      交通事故で入院されていたのですね。
      呼吸器装着、そして身体も動けないという状態で、相当重篤な状態だったのでしょう。
      それほどの事故を乗り越えて、こうしてメッセージをくださっていることに本当に感謝します。
      看護師から見ても医者の中には患者のことを考えているようで、そうではない方も多くいます。
      病気や新しい治療法や薬の使用、治療の評価などを通して、実は自分の研究を一生懸命されている方もいます。
      患者のためなのか、研究成果を学会で発表して自分の名を上げたいだけなのか、なんか釈然としないこともあります。
      看護師は、できるだけ患者さんの一番身近な存在として、できるだけ希望に添えるようにしています。
      こうして、寄り添っていた看護師に対する感想を伝えてくださると、私もとてもうれしいです。
      患者さんのお話の中には、その人となりや今までの人生、培ってきたものなど大きな背景が隠れています。
      そうしたものも含めて、看護師としてその人らしさを活かした看護ができるようこれからも努力していきます。

  2. まだ骨も折れたままで元気とは言い難いですが
    家に帰り療養しているのですが
    事故後、自分では今まで思ったこともないのですが
    心がすごく弱っています
    家に帰った所で誰もはなしをちゃんと聞いてくれる訳もなく…
    ユウさんの返信が涙が出るほど嬉しかったです!
    長くそばで見ていて思いましたが、看護師さんは本当に大変なお仕事だと思います
    頑張ってなんて気軽に言えませんが
    無理をなさらないようにしてください。
    ブログ応援してます。

    • また前のように復帰できることを願っています。
      お大事にしてください。

      お気遣いありがとうございます。これからも仕事、ブログともに頑張ります。

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