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看護の基本~手指衛生:【衝撃の事実】1プッシュじゃダメでした!~

一般
この記事は約3分で読めます。

前回の記事(看護の基本~手指衛生~)で

手指消毒について、アルコールはどれくらい使用すればよいかや

1日の使用量の目安についてお話しました。

今回、手指消毒アルコールのメーカーさんからもう少し詳しくお話しが聞けたので

シェアします。


手指消毒で使うアルコール

1.手指消毒で使うアルコールの種類

私の勤める病院では、職員は皆ポシェットを付けて

手指消毒のアルコールを携帯するよう義務付けられています。

サラヤポシェット

↑こんな感じです。(引用元:Medical SARAYA)

ちなみにうちの病院では、「サニサーラW 250ml」というものを使用しています。

サニサーラw250

医療施設用なので一版には販売していないようです。

また、手が荒れやすい人には、こちらの「エレファジェル150ml」を使っています。

ちなみに、私も手が荒れるのでこっちを使っています。

みなさんの学校ではどんなものを使用しているでしょうか?

2.手指消毒には1回何ミリリットル使えばよいの?

さて、手指消毒のためのアルコールですが

上記で紹介した商品はそれぞれ、250mlと150ml入りです。

1回の使用量目安は施設によって異なるようですが、

調べたところ、多くの施設では

1回につき2mlの使用を推奨 しています。

この数値を覚えておいてください。

サラヤさんによると、

詳しくは、「少なくとも手指が15秒以内に乾燥しない量」と規定されております。

その根拠は2002年のCDC手指衛生のガイドラインおよび2009年の医療現場における
手指衛生のためのWHOガイドラインのようです。

▼ こちらからCDCガイドライン(和訳)がダウンロードできます(2.2MB) ▼
http://med.saraya.com/gakujutsu/guideline/pdf/h_hygiene_cdc.pdf
p21に該当の記載があるので、興味がある方は確認してみてください。

▼ こちらからWHOガイドライン(原文)がダウンロードできます ▼
http://whqlibdoc.who.int/publications/2009/9789241597906_eng.pdf
p33に「10~15秒」に関する内容、
p155に「手指消毒手順(図)」が記載されています。

3.1プッシュ何ミリリットル?

さて、ここで問題です。

手指消毒で使うアルコールは1プッシュ何ミリリットルでしょうか?

1プッシュ

種類にもよると思いますが、上記で紹介したアルコールの場合どちらも

1プッシュ=1ミリリットル

です。これは、メーカーさんにしっかり問合わせて聞いたので間違いはないです。

つまり、

手指消毒で必要な量は2ミリリットルなので

1回につき、2プッシュするのが正しい使用法 なのです。

4.手指消毒は正しく行いましょう

サラヤさんいわく、1プッシュ(1ml)でも大腸菌が約99.9%殺菌されるようなので

全く効果がないというわけではないようです。

しかしながら、

今まで1プッシュしかしてこなかったのが当たり前だったので、驚きました。

そして、15秒以上乾かないほどびちゃびちゃに濡れるのが正しい使い方だと。

ちなみに今回、調べて分かった事実を病棟スタッフに話したところ、誰も正しい使い方と根拠を知りませんでした。

ユウのアドバイス

手指衛生のためには、一番は手洗いが良いのだと思いますが、毎回のケアの後にわざわざ手洗い場まで行けるほど余裕はありません。そんなときは、手指消毒剤を正しく使って、常に手を綺麗にしましょうね!

コメント

  1. こんにちは。
    手指衛生についてネット検索していて、ここに辿り着きました。看護師をしています。すごく勉強になります、こういうサイトありがたいです。
    ただ、今回の内容では、1回の適切な使用量は文献等によって異なると思います。手の小さな女性と手の大きな男性では1回量は違います。なので、1プッシュではなく2プッシュというのも言い切れないと思いますし、ローションタイプとジェルタイプでも使用量や使用方法は異なると思います。
    看護行為毎に手指衛生をするのは大変だし、微生物は普段見えないぶん忙しいとなかなか難しいところもありますよね。この記事を読んで患者さんのため、自分のために頑張ろうと思いました!

    • コメントありがとうございます。
      確かに、おっしゃる通りです。一概に2プッシュが良いとは言い切れませんが、記事にもある通り、手指消毒剤の1回の適切な使用量は「少なくとも手指が15秒以内に乾燥しない量」とWHOの基準があります。
      これに基づいて手指消毒剤を使用していただくと、自分が1回1プッシュで良いのか、2プッシュ必要なのか分かりますね。
      看護に携わる方に、少しでも感染対策の意識を持っていただけたら私もうれしく思います。

  2. はじめまして。
    私も感染管理について勉強する者です。
    サラヤさんにの営業さんに聞いたところ、ワンプッシュで良いとの解答でしたが、学術に問い合わせると2プッシュと言われました。個人持ちしていれば手指消毒の遵守率が上がるのは周知の事実ですが、一回量が2プッシュだとそれを守る人も少なく、本当の意味での遵守率の向上にならないと思いました。意味のないことをやってもね、、(´・_・`)
    どうされてますか?

    • ご質問ありがとうございます。
      遵守率の向上はお互いに頭を悩ませますね。。私の病院では、毎月、手指消毒剤の使用量をチェックしています。
      そして、他病棟の使用量と比較し、院内での順位をみんなに知らせています。その都度、「1回2プッシュを心がけましょう」と周知するよう説明しています。
      また、独自に病棟内で個人の使用量をグラフにし、一般企業でいう営業ノルマみたいな棒グラフを掲示することで、意識の向上に取り組んでいます。
      結果的に、昨年度よりは使用回数や使用量は上昇しているものの、飛躍的な向上とまではいかず、底上げ程度に留まっている状況です。
      いろいろ努力していますが、個人の意識改革が難しいですね。。。

  3. 感染対策がより注目される時代になりました。

    CDCのガイドラインの “1mlでは不十分” は、ジェル製剤が普及していない時代の、液体製剤に関する情報です。
    すでに指摘がありましたが、ジェル製剤で一律に「2mlでないとだめ」と明確に示せる情報はありません。1mlで十分効果があるとも、不十分との報告もあります。

    「一概に2プッシュが良いとは言い切れません」と回答されています。ところが、サニサーラWに限定したとしても、何秒維持できるかは検証されていません。結局のところ、なぜ、1mlでなく2mlでないといけないと断言しておられるのでしょうか。
    手の大きさや使い方でも必ず個人差があります。

    また、「1プッシュ(1ml)でも大腸菌が約99.9%殺菌されるようなので全く効果がないというわけではないようです。」とは、どういう意味でしょうか。100%でないとダメという考えでしょうか。

    「多くの施設では1回につき2mlの使用を推奨しています」とは
    何施設を対象に調べて、うち何施設で2mlとされていたのですか。何をもって「多く」とされているのでしょうか。いずれの施設も同じ製剤だったのですか。
    実際のところ、ジェル製剤を基本1プッシュの方針としている施設も「多く」ありますが。

    そして何より気になるのは、「うちの病院にも一応、感染のなんちゃって認定看護師がいますが、大きな態度をする割には、正直、使えないです」
    と、インターネット上で特定の個人を誹謗中傷されていることです。

    • コメントいただきありがとうございます。
      お返事が遅くなり申し訳ございません。

      手指消毒剤の使用に関しては、メーカーの推奨量がありますので
      サラヤのサニサーラWの場合、2プッシュを推奨しているということです。
      CDCガイドラインは権威があり、今だに多くの文献で引用されておりますので、手指消毒剤に関して新たなガイドラインが出ることを願っています。

      1プッシュで99.9%殺菌されるので、1プッシュでも個人的には十分な効果があると考えていますが
      あくまでメーカーの使用推奨量に準ずると2プッシュという意味です。

      「多くの施設」というのは、インターネットでざっと調べたところということです。
      製剤の種類については分かりません。
      研究発表論文ではなく、あくまで個人のブログ記事なので、そこまで求められても困ります。。

      本記事は一般の方や病院関係者でさえ手指消毒剤を少量(ノズルをギュッと下まで1プッシュもしくはそれ以下)でも付けたら消毒できたと思っていることへの警鐘の意味を込めて、意外とたくさん使わないと効果があまりないですよということを発信しています。

      個人が特定できてしまう可能性がある部分については削除させていただきました。
      ご指摘ありがとうございました。

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