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間違った看護計画の書き方とそのコツ

一般
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看護を実践する上で必ず必要なもの。

それは、看護計画です。ただ患者さんの体温を測るだけであっても、

看護計画が必要になります。あらゆる看護ケアを行うために必要な看護計画ですが、

今日はついついやってしまいがちな間違った看護計画について説明します。


間違った看護計画の書き方とそのコツ

1.看護計画とは

まずはじめに、看護計画とは、看護過程のひとつです。

看護計画は、患者が抱える問題を解決するための患者目標(患者が主語となり、問題を解決するためにどのようにしていくかなどの具体的な行動目標)と、ケア計画(患者目標を達成するための具体的な行動計画)を記載したものです。

観察項目(O-P)、ケア項目(T-P)、教育および指導項目(E-P)に分けて記載します。

また、看護計画にはあらかじめ評価日を設けて、看護目標への到達度や計画内容を検討(必要に応じて修正)します。

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2.患者さんの反応をみながら計画を立てる

看護計画は、患者さんの入院時の状態をみて、現状を把握し、何が問題であるかを判断してから看護診断名を決定します。

例えば、とても簡単な例になりますが、

(事例)
48歳、男性、既往歴無し。散歩中に急に腹痛が出現。冷汗、嘔気出現、意識朦朧となり座り込んでいたところを近所の人が発見。救急車で運ばれた。緊急でCT、レントゲン、採血を行ったが異常所見無し。しかし、腹痛症状は継続しています。原因不明の腹痛ということで、精査のため入院となった患者さんがいたとします。

この患者さんに、急性疼痛という看護診断名をつけたとしましょう。

さて、あなたならどんな看護計画を立てますか?

「とりあえず、バイタルサインの測定はいるだろうし、腹痛の程度も聞いておこうかなぁ、あとは、お腹の音を聞いてみたらいいと思うから腹部聴診もいれておこう、ほかには・・・」

 

ちょっと待って!

 

それって、どんな根拠で計画に入れてるのでしょうか?

看護計画に入れる理由を根拠を持って説明できますか?

看護計画を立案するときについついやってしまいがちなこれ。

無根拠でなんとなく計画立案というのはいけません。

じゃぁ、どうすればよいのでしょうか?

3.看護計画を立てる上で大切な視点

看護計画を立てる上で、大切な視点があります。

それは、看護の視点です。

なんとなく、必要そうだから入れるというのではなく、看護の視点でなぜ必要なのか根拠をもって看護計画を立案していきましょう。

先の例で、次のような同じ計画を立案したとしても、立案した人によってその根拠がまったく別のものになっていることがあります。

Aさん(5年目の中堅ナース)の根拠

Bさん(看護学生2年)の根拠

看護計画 Aさんの根拠 Bさんの根拠
疼痛スケールを活用し、症状の増悪をみる スケールを活用し客観的に疼痛の増悪を見ることで、腹部症状の悪化がないかアセスメントし、必要に応じて鎮痛薬を使用し苦痛の緩和に努めるため 痛みがあり辛そうだから。訴えを傾聴して、我慢しないよう思いの表出を促すため。
食事量、排便状況の把握 排便コントロール不良による下痢、もしくは便秘による腹部症状の出現がないか、また食事内容や量を把握し、必要な栄養が摂れるよう考慮するため 腹痛による食事量の変化を確認し、入院前の食事と比較する。排便状況を確認し便秘なっていないかアセスメントする。便秘であれば腹部マッサージの指導をするため。
バイタルサイン測定 感染による発熱、疼痛症状による血圧や脈拍上昇がないか観察する。また、訴えに応じてクーリングや鎮痛剤の使用、主治医への報告をするため。 体温や血圧を測って異常値ではないか確認するため。

 

この両者の考え方の違い、お気づきでしょうか?

同じ看護計画であっても、Bさんの方はもっともらしいことを言っているようですが、とっても表面的で、いったいどんなケアにつながるのかや、患者さんに本当に必要なことなのかどうか、どんな視点をもって患者さんに接するのかよくわかりません。
それに対して、Aさんの方は患者さんの病態把握や安楽という視点を持って、ケアを行っています。

看護計画を立案するときは、このようにしっかりと看護の視点で根拠をもった計画立案をしていきましょう。

ユウのアドバイス

看護計画というのは、「看護の視点を持った計画」とも言えます。なぜその計画が必要なのか、どんな治療やケアに結び付けていくことができるのかをよく考えて計画立案しましょう。患者さんが笑顔になるから良い計画、痛い思いをするから悪い計画などというような単純な根拠にならないよう注意しましょうね!((ヾ(*´・ω・)ノ゙)) 

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