最近、LINEやメールでお悩み相談を受ける中で気になるのが、
アセスメントができませーん!(;n;)
という学生さんが多くいます。
アセスメントができないのは、センスがないからだと思っていませんか?
いいえ、そんなことはありません。
アセスメントは技術です!練習すれば必ず上手になります!
今日は、アセスメントのコツを少しだけお伝えしましょう。
アセスメントは技術だ!
1.アセスメントとは
グーグルで「アセスメントとは」で検索すると
一番最初にこのように出てきます。
対象者から得た「主観的情報」と「客観的情報」を相互に裏付けながら、対象者を取り巻く看護上の問題点を理論的に分析すること。 |
つまり、アセスメントは
S情報(主観的情報)とO情報(客観的情報)をもとに論理的に問題点を挙げ、看護ケアの方向性を決めることです。
2.アセスメントが足りないと言われるアセスメント
【事例】 看護計画の1つに「皮膚統合性障害リスク状態」が上がっている。 |
上記の事例は、注目して欲しいポイントを中心にかなり簡潔に記載してあります。
さて、この事例について、
あなたなら「皮膚統合性障害リスク状態」をどうアセスメントしますか?
学生さんにありがちな、悪いアセスメントを示しました。
悪いアセスメント(OとAのみ)
O)るい痩があり、仙骨や腸骨に骨突出がみられる。自己で体位変換ができず、同一体位でいることが多い。お茶は自己で飲めるが、1日の水分量が500ml程度。落屑があり、皮膚は乾燥しているため、看護師が1日2回全身にワセリンを塗っている。 |
A)1日の水分量が500ml程度であり、1日の水分摂取量としては少ない。皮膚が乾燥傾向であるため、水分摂取の促しやワセリン塗布介助することで、保湿をしていくことが必要。自己での体位変換ができず、同一部位でいるため褥瘡形成リスクある。引き続き、全身の保湿に努め褥瘡形成がないか観察していくことが必要。 |
一見、良さそうですが、これではダメです。
なにがダメなのか?
- 1日の水分摂取量としては少なく←少ないといえるのはなぜ?基準は?
- 保湿をしていくことが必要←保湿が必要なのはなぜ?乾燥したままではいけない理由は?
- 同一部位でいるため褥瘡形成リスクある←同一部位でいると、なぜ褥瘡が形成しやすいの?
アセスメントは、論理的に問題点を出して、ケアの方向性を検討することが必要です。
つまり、
「なぜ?」の部分がないからアセスメント不足と言われるのです。
なぜ?をBとすると、
AだからCではなく、Aだから、Bとなり、Cになることと考えることが重要です。
「なぜ?」を入れて書くと、次のようになります。
良いアセスメント(OとAのみ)
O)るい痩があり、仙骨や腸骨に骨突出がみられる。自己で体位変換ができず、同一体位でいることが多い。お茶は自己で飲めるが、1日の水分量が500ml程度。落屑があり、皮膚は乾燥しているため、看護師が1日2回全身にワセリンを塗っている。 |
A)1日の水分量が500ml程度であり、1日の必要水分摂取量(約1500ml)未満であるため、水分量が少ない。脱水により皮膚の乾燥が悪化する可能性がある。皮膚の乾燥は、皮膚のバリア機能の低下や脆弱化を招き、感染や皮膚損傷を起こしやすくなるため、水分摂取の促しやワセリン塗布介助することで、保湿をしていくことが必要。自己での体位変換ができず、同一部位でいるため、長時間、圧迫部位の血流が低下し、細胞に栄養が行き渡らなくなることで、皮膚の脆弱化が生じ、褥瘡形成リスクある。引き続き、全身の保湿に努め褥瘡形成がないか観察していくことが必要。 |
このように、「なぜ?」を入れて書いてみると、論理的に問題点を挙げ、看護ケアの方向性が定まったのがよくわかると思います。
3.アセスメントは技術
「アセスメントができないから、私は看護に向いていない」と嘆く学生さんも多くいますが、そんなことはありません。
アセスメントは何度も何度も練習して、「なぜ?」を意識した書き方をすることで上達していきます。
アセスメントはセンスではなく、技術です!
磨けばどんどん光ります。練習あるのみです。
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