術後合併症 ~呼吸器合併症~



術後に注意深く観察しなければいけない合併症のひとつに呼吸器合併症があります。

喫煙歴麻酔の種類、年齢によって、出現頻度が大きく変わる合併症です。

そのメカニズムと看護について学びましょう。


 呼吸器合併症

1.呼吸器合併症が出現しやすい時期

呼吸器合併症のおもなものは、無気肺肺炎です。

無気肺

無気肺は術後3日以内に発生しやすく、無気肺を放置すると肺炎に移行します。

肺炎

肺炎は術後3~5日ごろに発生しやすいです。

2.原因

術後の無気肺や肺炎は気道内分泌物(おもに痰)が気管支に流れ込み、気管支が閉塞することによって起こります。

肺の一部が気道内分泌物で閉塞し、無気肺を発症します。放置すると貯留物に細菌が繁殖して肺炎を引き起こします。

 

気道内分泌物を増加させる原因として、以下の4つの要因があります。

麻酔

たいていの手術では麻酔薬は必須です。
麻酔薬は、各種の神経に作用して疼痛や反射などを消失させますが、そのほとんどが副作用として呼吸機能を抑制する作用があります。

とくに、術後24時間以内は全身麻酔の残存により呼吸抑制が出現する可能性が高いです。麻酔の副作用が残存することで、気道内分泌物の喀出が不十分になり、術後の呼吸器合併症を引き起こすリスクになります。

 

挿管

全身麻酔の際は、気管内にチューブを挿入し、人工換気によって呼吸を管理します。
手術後は抜管しますが、挿入時に気管が傷ついたりすると、気管の痛みや刺激により、分泌物が増加しやすくなります。

 

手術部位

術後の呼吸機能低下の原因には横隔膜の機能障害があるとされており、手術部位が横隔膜に近いほど、影響が強く出てきます。

 

喫煙歴

喫煙歴の有無や程度、期間によって呼吸器合併症の起こりやすさが変わります。
ブリンクマン指数(1日に吸うタバコの本数×喫煙年数)が100程度なら影響はごく小さく、500~600を超えると影響がはっきりと現れ、1000以上では重大な影響が出るという報告があります。

3.症状

無気肺や肺炎になると下記のような症状がみられます。

無気肺の症状
  • 発熱
  • 呼吸困難
  • 聴診にて、患部の呼吸音が減弱

以上のような症状がみられます。
また、肺炎に移行すると下記のような症状がみられるようになります。

 

肺炎の症状
  • 異常な副雑音粗い断続性ラ音:ボコボコボコゴロゴロゴロ、低音性の連続性ラ音:グーグーギュー
  • 痰に細菌が繁殖し、白黄~淡黄色の痰が喀出される

このような症状が見られたらすぐに医師に報告しましょう。

4.呼吸器合併症への対応

術後の看護ケアでは呼吸器合併症の予防もしっかりと視野に入れて看護を展開していく必要があります。

呼吸器合併症の主要な原因のひとつはです。術後の看護では、できるだけ痰を貯めないようにするケアが必要です。

自己排痰を促すケア
  • 起炎菌に感受性のある抗生物質の投与
  • 含漱を促すことで、痰をふやかし痰が出やすくする
  • 深呼吸を促したり、タッピング、体位ドレナージをすることで、術後の呼吸抑制にともなう排痰困難を緩和する
  • 去痰薬(ビソルボンⓇなど)を併用して、超音波ネプライザーで吸入を行い、喀出困難を緩和させる
  • 傷の上に軽く手を置き、傷の痛み刺激を押さえながら、強く咳をするよう促す

5.呼吸器合併症のリスク因子

呼吸器合併症のリスク因子としては次のようなものがあります。

  1. 70歳以上の高齢者
  2. 慢性閉塞性呼吸器疾患の既往歴のある患者
  3. 低肺機能患者(%肺活量が80%以下、1秒率が70%以下)
    ※%肺活量:実際の肺活量が、予想肺活量の何パーセントであるか
    ※1秒率:肺から1秒間に出した空気の量の割合
  4. 肥満の患者
  5. 喫煙歴のある患者

6.術後合併症まとめ

7.オススメ書籍「術前・術後ケアの基本」

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 ユウのアドバイス

術後の呼吸器合併症も出現頻度は意外と高いです。喫煙歴は結構重要なポイントですよ!長いと、「あっ、この人・・・ヽ(・ω・ヽ)」って脊髄反射のレベルでこの合併症が思いつくと素晴らしいですね。



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4件のコメント

  • 現在通信課程一年 52歳おばさん 事例展開 悪戦苦闘中です 大変素晴らしいです ヘンダーソンの正常に呼吸する アセスメント 難儀です

    • ユウ

      コメントありがとうございます^^
      アセスメントはなかなか難しいですよね。
      どんな点が難しいのか詳しく教えていただければ、アドバイスさせていただきますよ!
      術後合併症のポイントをしっかり押さえて、実習に備えていきましょうね(*^u^*)

  • おはようございます♪ 急性期病棟復帰27年ぶり 昨夜勤務 全麻tulパス76歳女性 オペ後帰室 ルームでspo2 86 酸素3㍑でspo2 87血圧90*50 アセスメント教えて下さい

    • ユウ

      コメントありがとうございます。
      そのデータだけでアセスメントと言われましても、お答えしにくいところですが・・・。^^;
      酸素化が悪いので術後回復の状態を見ながら、指示に従って酸素飽和度を上昇させてあげましょう。
      また、血圧はやや低めなので指示通りに対応してあげるとよいでしょう。
      看護の面では、個別性を感じる情報が乏しいので有益なアドバイスができないのですが、、まずは血尿の観察と疼痛に対するケアを中心に行いましょう。

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