正しい吸引圧とその根拠



みなさんは、吸引の際にどのくらいの圧をかけて吸引をしていますか?

人によって20kPaや30kPa、または60kPa程度まで上げる方もいます。

さて今日は、いったい正しい吸引圧のはいくつなのか、根拠とともにご説明します。


 安全な吸引圧

1.正しい吸引圧

結論から言うと、正しい吸引圧は、吸引器の設定値225mmHg(約30KPa)以下です。

文献によっては、150mmHg(約20KPa)以下と書かれているものもありますが、最新の研究では誤りであるとされています。以下に、その根拠を示します。

2.吸引とは

そもそも、吸引とはいったい何のことでしょうか。

吸引とは、吸引装置に接続したカテーテルを用い、気管内や気道内にある分泌物を機械的に除去する医療行為である。
分泌物の貯留による肺炎や呼吸困難を防ぐ目的で行われる。医療行為ではあるが、一定の条件を満たすことにより、在宅療養における介護者(家族、ヘルパー、ボランティアなど)も吸引行為を行うことができる。(看護用語辞典:ナースpedia

とされています。

3.吸引圧

吸引する際に、どのくらいの強さで吸引をするのかを決めるために吸引圧を設定します。

吸引圧とは、吸引器の設定圧のことで、下図のような設定ハンドルとメモリがついています。

設定値は0mmHg(0kPa) ~ -100mmHg(100kPa)程度までのメモリがついていますが、

実際は、せいぜい-450mmHg(60kPa)程度までしか上がりません。ついつい痰がとりにくいと、吸引圧を上げがちになってしまいます。でも、あまりに高いと危険なので、機械の制御がかかるようになっているのです。

ちなみに、数字の前にマイナス(-)がついているのは、

吸引は、押し出す圧力(プラスの圧力)ではなく、引っぱる圧力(マイナスの圧力)だからです。

さて、次に正しい吸引圧とその根拠を説明します。

4.正しい吸引圧とその根拠

ここからちょっと難しい話になります。

冒頭で、正しい吸引圧は、吸引器の設定値225mmHg(約30KPa)以下とお伝えしました。

その根拠となる文献はこちらです。

安全で効果的な気管内吸引圧の実証的研究

 

これまでの根拠の問題点

これまで根拠とされてきた文献(日本呼吸療法医学会による150mmHg(約20kPa)以下)の問題点として、

  • 動物実験から得られたデータであること
  • 吸引チューブには3つの穴(孔)が空いており、それぞれにかかる圧を正確に測定する必要があること
  • 吸引器の設定圧と、実際に吸引チューブの穴(孔)から吸引される圧力は異なること

ということが挙げられており、これらを踏まえて、再検証した結果、

吸引器の設定値225mmHg(約30KPa)以下が適切であるとされています。

ちなみに、ここでいう吸引圧は、吸引チューブの先を開放した状態での設定圧力値のことです。

このとき、吸引チューブの先端の穴(孔)には100mmHg程度の吸引圧がかかっています。

5.結論

正しい吸引圧は、吸引器の設定値225mmHg(約30KPa)以下

(吸引チューブの先を開放した状態での設定値のこと)

 ユウのアドバイス

看護技術も日進月歩の世界ですね。EBN(Evidence Based Nursing: 根拠に基づく看護)を意識することが大事です。常に最新の知識と情報を得て、看護に活かしていきましょう。




今回の記事が良かったと思われたら、
↓土下座画像をクリックしてブログランキングへの協力をお願いします!
poti3  
↓いいね!やツイッターでのシェアもよろしくね!。+.。ヽ(*>∀<*)ノ。.+。↓

コメントを残す