術後合併症 ~術後せん妄~



せん妄は、比較的短期間に発症する見当識障害や注意力と思考力の低下、認知障害、意識レベルの変化をきたす状態のことです。

術後に起こるせん妄は、手術がきっかけで生じた急性のもので、通常は一過性です。
高齢者、大手術を受けた人、隔離された部屋(ICUなど)に入室した人に発症しやすい傾向があります。


 術後せん妄

1.出現しやすい時期

術後せん妄は、術後1~2日程度していったん落ち着いていた患者さんが、急に錯乱、幻覚、妄想状態をおこし、1週間前後続いて次第に落ち着いていくという特異な経過をとります。

2.原因

明確な原因は不明です。せん妄は疾患(脳疾患や代謝系疾患など)や手術による侵襲、薬剤などの化学物質による直接的な要因のほか、患者さんが置かれている環境的な要因や睡眠障害、ストレスなどが誘発因子として影響します。

さらに患者さんが高齢であったり、脳神経疾患の既往、認知症が認められたりする場合はせん妄を発症しやすいといわれています。

入院時から術後のせん妄発症リスクの大きさをアセスメントして、必要であれば予防的介入を早期から行っていく必要があります。

3.症状

手術の後、1~2日経ってから見当識障害や幻覚、妄想が現れ、数日から1週間ほど続いたのち、次第に症状が消えていくという経過を辿ります。

初期症状としては、不安や不眠の訴え、落ち着きのない動作などがみられます。その後、勝手に酸素マスクを取るようになったり、点滴の管を抜いたりするなど、術後のケアの妨げになることや、夜間に大声を上げて暴れるなど、他の患者さんに迷惑がかかることがあります。さらに転倒・転落の危険も増大し、術後の大きな問題となってきます。

4.せん妄と認知症の違い

せん妄と認知症の症状はよく似ているため混同されがちですが、両者には大きな違いがあります。それは、せん妄は発症時期が特定できるのに対して、認知症は明確に特定ができません

せん妄は症状が1日のうちでも変化しやすく、一時的に意識がはっきりする以外は常に症状が変わります。しかし認知症の場合は、比較的に症状が一定で、時間が経過するにつれて症状が進行していきます。

せん妄は次第に元通りに回復しますが、認知症は改善して元に戻るようなことはありません。

5.せん妄への対応

せん妄を予防するためになるべく不安を取り除いてあげることや、術後、せん妄症状がみられたら、患者さんの安全を第一に、回復を支援する働きかけを行っていきます。

・術前の十分な説明、きめの細かい看護、家族の面会などを通して患者さんの不安を取り除く
・昼間の声掛けを増やして昼と夜のメリハリをつけ、睡眠・覚醒リズムの調整をする
術後の早期から離床を促し散歩やリハビリを行う
・幻覚や妄想が強い場合は、薬物療法(リントンⓇやセレネースⓇの点滴静注など)を行う

6.術後合併症まとめ

7.オススメ書籍「術前・術後ケアの基本」

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 ユウのアドバイス

高齢者の術後合併症の中では最も多く、75歳以上の胃癌(胃がん)、大腸癌(大腸がん)の手術例の検討では27%の方に術後せん妄が起こっているというデータがあります。高齢者では特に注意が必要であることを覚えておきましょう。



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